エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1496
2025.01.17 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
MSI「MAG B860 TOMAHAWK WIFI」では、独自回路設計「Memory Boost Technology」や表面実装技術により、最大9,200MHzまでの高クロックメモリのサポートが謳われている。そこで今回は手持ちのDDR5メモリの中で最も高速なKLEVV「KD5AGUA80-80D380G」を使い、オーバークロック動作を確認してみた。
KLEVV「KD5AGUA80-80D380G」のIntel XMP 3.0プロファイルを読み込むだけでDDR5-8000動作が可能だった |
公称最大クロックまでまだ余裕があることから、Intel XMP 3.0プロファイルを読み込むだけでDDR5-8000動作が可能。OSの起動はもちろん、各種ベンチマークも問題なく動作させることができた。そこでパフォーマンスへの影響を確認するため、KLEVV「KD5AGUA80-80D380G」をDDR5-4800に設定した場合と、DDR5-6000動作のCrucial「CP2K24G60C48U5」と比較してみることにした。
「CP2K24G60C48U5」のDDR5-6000動作。レイテンシはCL48-48-48-96でかなり緩め | 「KD5AGUA80-80D380G」のDDR5-4800動作。レイテンシはCL40-40-40-77でDDR5-6000より高速 |
「AIDA64 Cache & Memory Benchmark」の帯域幅はDDR5-4800からは約40~57%、DDR5-6000からでも約24~35%と大きく向上している。またレイテンシについては、メモリタイミングが緩めに設定されているため「CP2K24G60C48U5」のDDR5-6000動作時のほうが「KD5AGUA80-80D380G」のDDR5-4800より若干だが遅くなっている。ちなみにDDR5-8000動作では、いずれとの比較でも8割以下までレイテンシが短縮されている。
メモリの影響が大きい「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」のベンチマーク結果を確認すると、WQHD解像度ではDDR5-4800やDDR5-6000から約7%、フルHD解像度ではDDR5-6000からは約10%、DDR5-4800でも約8%スコアが向上している。このことから、ハイエンドグラフィックスカードを組み合わせたゲーミングPCを構築する場合には、クロックやタイミングが高速なメモリを選択したい。
MSIのゲーミングマザーボードの中では、エントリークラス「MAG」(MSI ARSENAL GAMING)に属する「MAG B860 TOMAHAWK WIFI」。しかし、インターフェイス周りについては、Intel B860はもちろんIntel Z890でも上位モデルにしか搭載されていない5ギガビットLANをはじめ、帯域幅40GbpsのThunderbolt 4や、320MHz対応のWi-Fi 7を標準装備するなどかなり豪華な構成だ。
また電源回路もDrMOSの上位モデルである60A SPSによる12+1+1+1フェーズの堅牢設計で、Power Limitの上限を開放した「MSI Performance Settings」の設定でも動作に全く問題なし。PCI Express 5.0やオーバークロックメモリへの対応も万全で、ハイエンドゲーミングPCのベースとしても存分に力を発揮してくれることだろう。
税込42,980円という価格は、Intel B860チップセットマザーボードの中ではかなり高価な部類だが、搭載機能を考えれば実質ライバルになるのは上位チップセットIntel Z890のゲーミングマザーボードなのは明らか。そう考えると「MAG B860 TOMAHAWK WIFI」のコストパフォーマンスはかなり良好といっていいだろう。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社