エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1498
2025.01.23 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて消費電力をチェックしていこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、各ベンチマークについては実行中の最高値を取得している。
アイドル時の消費電力は省電力機能により、クロックや電圧が低下するためどちらもほぼ同じになった。一方、GPUに最高クラスの負荷がかかる「Steel Nomad」では、GeForce RTX 4090から約146Wも増加し、消費電力は700W近くまで上昇した。それ以外のゲームでも軒並み消費電力は600Wを超えており、GeForce RTX 5090を使う場合には、電力効率を考えると1,200W以上の電源ユニットを用意したい。
「GeForce RTX 5090 Founders Edition」では、Double Flow ThroughデザインのVGAクーラーを採用することで2スロット厚を実現しているが、その冷却性能は気になるところ。そこでストレステスト「3DMark Steel Nomad Stress Test」を使って確認をしてみることにした。
高負荷時のGPU温度は最大77℃、メモリ温度も最大90℃までしか上がらず、Double Flow Throughデザインを採用することで2スロット厚のVGAクーラーでも冷却性能が不足することはない。またファンの回転数を確認したところ1,600rpm前後、回転率は50%に達することはなく、静音性についても良好だった。
テストセッションのラストはDLSS 4で追加されたマルチフレーム生成機能の効果を確認していこう。テストに使用したのは「3DMark:NVIDIA DLSS feature test」「Cyberpunk 2077」「ホグワーツ・レガシー」「Alan Wake 2」の4種類。いずれもベータバージョンによるテストで、解像度は4Kに固定している。また「Cyberpunk 2077」以外のゲームでは、DLSS 4設定時のフレームレートはNVIDIA「FrameView」を使い計測を行っている。
最も差が小さい「ホグワーツ・レガシー」でもDLSS 3から約42%、「3DMark:NVIDIA DLSS feature test」や「Cyberpunk 2077」では約80%、最も差が大きい「Alan Wake 2」では2倍以上もフレームレートが上昇しており、マルチフレーム生成機能の効果は大きい。
DLSSはソフトウェア(もしくはゲーム)側の対応が必須になるが、DLSS 4については「GeForce RTX 50」シリーズの解禁と同時に75タイトルが対応するなど準備は万端。さらに今後も増えていくことを考えると、強力な武器になることは間違いないだろう。
従来モデルから約33%増となる21,760基のCUDAコアや、1,792GB/secの広大なメモリ帯域など、最新の「GeForce RTX 50」シリーズの中でも飛び抜けて豪華なスペックを引っさげ投入されたGeForce RTX 5090。GeForce RTX 4090との比較では、4K解像度を中心に大きくパフォーマンスを伸ばしており、まさにフラッグシップの名に恥じない実力を発揮する。またDLSS 4のマルチフレーム生成機能もフレームレートを追求するユーザーには魅力的な機能だ。
またコンシューマ向けでは最大となる32GBのビデオメモリやFP4への対応は、大規模な3Dレンダリングや生成系AIを活用するワークステーション用途としても魅力的な存在になるだろう。前世代からプロセスが微細化されていないため、消費電力が大幅に増加したのはマイナスだが、このクラスの製品を選択する人にとっては大きな問題にならないはず。
価格も393,800円からと高価で、万人におすすめできる製品ではないのは確か。ただし、ワンランク下のGeForce RTX 5080ではCUDAコア数、メモリ帯域とも約半分に制限されていることを考えると、現状ではライバルになりえない。究極のゲーム性能を求めるならGeForce RTX 5090は唯一無二の存在になるだろう。
協力:NVIDIA Corporation