エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1499
2025.01.26 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ハイエンドモデルに比べると部品点数が少ない「B850 Steel Legend WiFi」だが、それには合理的な理由がある |
「Steel Legend」シリーズ最大の特徴は、フラッグシップ級匹敵の強靭な電源回路にあることはご存知の通り。「B850 Steel Legend WiFi」の電源回路は14+2+1フェーズ構成で前世代と変わらないものの、搭載コンポーネントは選りすぐりの特別製だ。
特にコンデンサは、大手部品メーカーと共同開発した「20Kブラックコンデンサ」を採用。サイズはそのままに静電容量は従来モデル比で約2倍の1,000uFに拡張されているため、故障リスクを減らすための部品点数削減に貢献している。105℃環境下でも2万時間動作するという、圧倒的な長寿命が特徴だ。
また、MOSFETにはローサイド・ハイサイドMOSFETとドライバICを統合した、80A対応のDr.MOSを採用。これらVRMモジュールの冷却には、I/Oカバーまで放熱面積が拡張された大型の「XXL VRM Heatsink」が装着されている。
電源回路は、80A対応のDr.MOSによる14+2+1フェーズ構成。コンデンサには静電容量1,000uFの「20Kブラックコンデンサ」が採用されている |
VRMヒートシンクは2ブロック構成の「XXL VRM Heatsink」が取り付けられている |
PWMコントローラはRichtek「RT3678BE」および「RT3672EE」が搭載されていた | CPUソケットはLGAタイプのSocket AM5で、Ryzen 9000/8000/7000シリーズに対応する |
「B850 Steel Legend WiFi」の搭載するチップセットは、AMD 800シリーズのミドルレンジ向けチップとしてリリースされた「AMD B850」だ。前世代のAMD B650と仕様上の共通点が多いものの、CPU直結のPCI ExpressレーンがグラフィックスカードとNVMe SSD用ともにPCI Express 5.0を正式サポートしている。
上位チップのAMD X870と比べればPCI Express 5.0レーン数が削減され、USB4もオプション扱いになるなど差がつけられているものの、下位チップのAMD B840と異なりCPUとメモリ両方のオーバークロックに対応。パワーと拡張性が求められるゲーミングマシンのベースにも十分なチップセットと言える。
肉厚のヒートシンクに覆われていた「AMD B850」チップ。PCI Expressのレーン数やSATA/USBポート数といった、チップセットとしての基本的な仕様はAMD B650とそれほど違いがない |
メモリスロットは最大8,000MHz動作に対応するDDR 5×4を備え、最大256GB(64GB×4)を実装可能。各スロットは信号の損失が少ない表面実装技術で実装されている点も特徴だ。また、メモリプロファイルはAMD EXPOとIntel XMPに両対応。幅広いメモリのオーバークロック設定をワンタッチで完了できる点も嬉しい。
CPUソケット側からDDR 5_A1/A2/B1/B2の順に並んでいるメモリスロット。1枚挿しの場合はDDR 5_B2、2枚挿しの場合はDDR 5_A2/B2の組み合わせで使用する |
UEFIにはDDR5-3200からDDR5-16000までのクロック設定が用意されていた |