エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1500
2025.01.29 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
続いて消費電力をチェックしていこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、各ベンチマークについては実行中の最高値を取得している。
GeForce RTX 4080に比べると、GPUに極端な負荷がかかる「Steel Nomad」実行中で約40W、それ以外のゲームやAI生成処理でも20W前後上昇しており、ワットパフォーマンスは先代モデルとほぼ同等と言っていいだろう。ちなみにGeForce RTX 4090より最大約100W、GeForce RTX 5090より最大で約250Wも低く、電源ユニットへの負荷はフラッグシップモデルに比べるとだいぶ控えめだ。
続いて、Double Flow Throughデザインを採用する2スロット厚のデュアルファンクーラーの冷却性能をチェックしていこう。なおストレステストには「3DMark Steel Nomad Stress Test」を使用している。
高負荷時のGPU温度は最大70℃、メモリ温度も最大78℃で、GeForce RTX 5090 Founders Editionからいずれも低下している。またファンの回転数は1,550rpm前後、回転率も45%前後で、冷却性能もまだ余力が十分残されている。静音性についても優秀で、バラック状態でのテストでも全く気にならなかった。
テストセッションのラストはDLSS 4で追加されたマルチフレーム生成機能の効果を確認していこう。テストに使用したのは「3DMark:NVIDIA DLSS feature test」「Cyberpunk 2077」「ホグワーツ・レガシー」「Alan Wake 2」の4種類。なお「Cyberpunk 2077」以外は、いずれもβバージョンのため正式バージョンでは傾向が変わる可能性がある。
DLSS 3に比べると最も差が小さい「ホグワーツ・レガシー」で約65%、最も差が大きい「Cyberpunk 2077」では2.3倍以上もフレームレートが向上。GeForce RTX 4080のDLSS 3動作に比べると、すべてのテストで2倍以上のパフォーマンスを発揮しており、マルチフレーム生成機能の効果は大きい。DLSS 4に対応するゲームを多くプレイするなら、GeForce RTX 50シリーズへのアップグレードを強くオススメする。
GeForce RTX 5090に比べると、比較的おとなしいアップグレードに留まるGeForce RTX 5080。しかし30Gbpsという高速なGDDR7メモリを採用していることもあり、実ゲームでも4K解像度を中心にGeForce RTX 4080比で20%以上の性能差を発揮するタイトルもあるなど、前世代から順当にパフォーマンスが向上している。
一方で、GeForce RTX 4090に対しては8~9割、GeForce RTX 5090に対してはおおむね6割前後の性能に留まるなど、フラッグシップモデルとの差は依然として大きく、CUDAコア数はもう少し増やして欲しかったというのが素直な感想だ。
そしてDLSS 4のマルチフレーム生成機能に目を向けると、その効果は絶大。対応ゲームであればGeForce RTX 4080からは2倍以上、GeForce RTX 4090と比較しても大きく上回るフレームレートを叩き出していた。検証時点では、テストできるゲームが限られていたが、発売に合わせて75タイトルが対応するなど準備は万端。さらに発売後も対応ゲームが増えていくことを考えれば、GeForce RTX 4080やGeForce RTX 4090に対して大きなアドバンテージになるだろう。
協力:NVIDIA Corporation