エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1501
2025.01.31 更新
文:文:エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi/撮影:pepe
レビューの最後は、実際に「Modern MD342CQPW」を使った実動インプレッションをお届けする。動作検証にあたっては、Core i7-13700KFとGeForce RTX 4080を搭載するMSIのハイエンドゲーミングマシン「Aegis Ti5 13NUG-257JP」を用意。UWQHD(3,440×1,440)解像度でリフレッシュレート120Hz動作をさせても、まったく問題のないスペックだ。大画面ならではの表示領域を活かした、ビジネスシーンでの活用例やゲームプレイの様子も合わせてチェックして頂きたい。
まずは夜景による映り具合、さらに資料、表計算ソフトを並べて表示するなどのオフィスワーク、動画のタイムライン編集の様子を確認。広い画面いっぱいに資料を展開したり写真のサムネイルをまとめて表示出来たりと非常に便利だ。続いて「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」ベンチマーク、さらに「Apex Legends」や「フォートナイト」のプレイ画面を通して映り具合をチェックしている。
1,500Rの曲率とVAパネルの特性からフレーム周辺など角度をつけると若干輝度の低下が確認できるが、中心部分は明るく鮮やかな発色。使用時は画面に対し中心に頭が入るようなポジションを取るため、ほぼ気になることはないだろう。また、フラットタイプの液晶ディスプレイと比べて、無意識で行われている目のピント合わせ回数が減ることで、長時間の使用でも疲れにくいと感じた。さらに、左右の視界が画面で覆われることで高い集中力を維持することもできる。
PlayStation 5やXbox Series X/Sといったコンシューマゲーム機では、フルHD/120Hzの高速リフレッシュレートでの表示が可能だ。テスト動画ではPS5を使った「Apex Legends」や「フォートナイト」プレイ時の様子を撮影しているので参考にしていただきたい。
なお、UWQHD解像度に非対応のゲーム(またはゲーム機)や動画コンテンツがまだまだ多いため画面の左右に余白が出る場合もある。また、動作中の消費電力を計測したところ、アイドル時(リフレッシュレート60Hz/Windows起動後10分何もしていない状態)で31W、リフレッシュレート120Hzでゲームをプレイした時は35Wとなっていた。
「Modern MD342CQPW」の目玉機能に挙げられるのが、キーボード・マウスなど2つのUSBデバイスを2台のPCで共有できる「KVMスイッチ」機能だ。
ディスプレイ背面のUSB Tyep-A(ハブ)にキーボードとマウスを接続し、付属のUSB Type-A – Type-BケーブルをメインPCに接続すれば準備完了。動画ではMSI製ノートPCをUSB Type-C(DP Alt mode)に接続していたが、映像信号をType-Cに切り替えるだけで、同時にキーボード・マウスがノートPC側で使用可能になる。
特にテレワークなどでノートPCを自宅のディスプレイに接続して使う場合などでは、配線を変更することなく使い慣れたデバイスを共有できるメリットがある。USBメモリや外付けHDDなどを接続し、2台のPC間でデータストレージを共有するといった使い方もアリだろう。
OSDメニューから起動可能な「Eye-Q Check」は、ユーザーの疲れ目具合をチェックするMSI独自の機能で、各テスト項目を有効にすると画面全体が切り替わる仕組みだ。画面中央の点に焦点を合わせたときに、周囲の四角形が歪んで見えないか確認をする「アムスラーグリッド」、放射状の中心を片目で見た際に、線の濃さに差が出て見えないかカスミの確認をする「乱視」のほか、画面上部のマークに目線の高さを合わせることで正しい姿勢をキープさせる「姿勢矯正」を搭載する。ユーザー自身が気軽にヘルスチェックすることができるので、積極的に活用していきたい。
テストセッションの最後はリフレッシュレートチェックだ。テストでは、それぞれ60Hz/100Hz/120Hz設定におけるの違いを比較していく。できるだけ分かりやすく体感するために、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用。ディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
ビジネス向けでありながら120Hzのリフレッシュレート駆動とAdaptive-Syncといった垂直同期にも対応している「Modern MD342CQPW」。一般的な60Hzのリフレッシュレートではコマ送りのようにフレーム更新されるが、120Hz環境ではより滑らかに画面更新されていることが分かる。同社のゲーミングモデルと比較すると残像感はやや多く感じるが、ゲームだけでなく画面を注視するようなタスクでは、より高リフレッシュレートな環境の方がチラつきを抑制して目の疲労を抑える効果がある。3,440×1,440ドットのウルトラワイドでクリエイティブなタスクだけでなく、ゲームも楽しみたいというユーザーにオススメだ。
ゲームや動画鑑賞といったシーンでは特に威力を発揮する大画面の湾曲パネル採用ディスプレイ。「Modern MD342CQPW」の魅力はそれだけに留まらず、検証の通り、資料や表計算ソフトを使う一般的なビジネス面はもちろん、画像や動画編集では広い表示領域を活かした作業効率の向上が可能だ。一方で、MSIのビジネス向け液晶ディスプレイとしては初のリフレッシュレート120Hz対応となる点は大きなポイントで、ビジネスだけではなく最新ゲームも楽しめるスペックとなっている。
また、USBデバイスを2台のPCで共有可能なKVM機能やケーブル1本でノートPCと接続できる機能は非常に便利。テレワークなどでノートPCをディスプレイを接続して使う場合などでは、配線を変更することなく使い慣れたデバイスを共有できる。小さいサブ画面を表示する「PIP機能」と、2つの機器からの映像を並べて表示する「PBP機能」も想像以上に使えると感じた。会社や外出先でノートPCをメインに仕事をする人で、ちょっと贅沢な1台が欲しい。そんな人には特に使ってほしいディスプレイだ。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社