エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1503
2025.02.07 更新
文:編集部 Tawashi/撮影:pepe
前置きが長くなったが、今回の主役「Infinite」を見ていこう。その存在が明らかとなったのは、例によってCOMPUTEX。筆者も現地で実物を見たが、InWin名物「Signature」シリーズの第11世代にあたるモデルとして、ブース正面に堂々と鎮座。来場者の視線を釘付けにしていた光景は、半年以上たった今でも鮮明に覚えている。
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COMPUTEX TAIPEI 2024で展示されていた「Infinite」。半年後に発売された製品版とほぼ変わらないように見える |
コンセプトテーマはズバリ「宇宙」。開発を担当したマイケル・ワン氏いわく「未来感を表現したデザイン。特に、180度に曲がった1枚ガラスの複雑な曲げ加工には苦労したので注目してほしい」と語っていたのが印象的だ。具体的には「厚さが6mmもある一度曲げたガラスを反対方向にねじるところが最も難しい」そうで、高い技術力を要するとのこと。加えて、曲げたガラスのエッジとアルミニウムのエッジが正確に揃うようにする点も難しく、特別に作られた金型を使用し職人技で仕上げることで、独特な曲線を描くフォルムを実現している。
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厚さ6mmの曲面ガラスは強化処理済み。万が一ガラスが割れた際に飛散を防ぐ保護フィルムも表層に貼られている |
同じく180度曲げ加工がされた本体側のアルミニウム構造は、厚さ4mmで表面は手触りの良いサンドブラスト&ヘアライン仕上げ。エッジ部分はダイヤモンドカットを施すなど、こちらも熟練した加工技術によって作られている。
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場所によりサンドブラスト加工とヘアライン仕上げを使い分けている | 製品には個別の製造ナンバーが刻印されている |
また、ボタン一つで筐体が展開するという、可動ギミックを搭載する点も特徴。ボタンを3秒間長押し(誤作動を避けるため)すると“フォーン”という音が鳴り、続いて“ウィィィーン”というメカ好きにはなんとも小気味よい可動音とともに本体部分が傾斜。搭載されたPCパーツが露出するという大掛かりなギミックが施されているところは、なんともInWinらしい。
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ボタンを押すとアルミニウム製の本体側が傾斜。もう一度押すと元に戻る仕組み。稼働時間は約10秒でスムーズに動く。なお、動作中はライティングが赤く点灯し警告してくれる |
「Infinite」を語るうえで、もうひとつ触れておかなけらばならないのが、PCケースとしては最大クラスと言っても差し支えのないサイズと重量だ。本体の外形寸法は、幅404.51mm、奥行き990.41mm、高さ913.86mmと、奥行きと高さは約1mにおよび、重量に至ってはパーツ搭載前で約47kgもある。
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さらに、梱包された木製パレットの外形寸法は、幅546mm、奥行き1,086mm、高さ1,131mm。梱包材を含む総重量はなんと約100kgだ。通常サイズのPCケースとは全く異なるため、購入時の注意事項等については、セッション後半で紹介している。
そんなギミック、価格、サイズ、重量とどれもがモンスター級の「Infinite」を知るには、まずは下記の動画が分かりやすい。次のセッションへと進む前に、一度目を通していただきたい。
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