エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1504
2025.02.09 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて消費電力をチェックしていこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、各ベンチマークについては4K解像度でテスト実行中の最高値を取得している。
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GPUに最も負荷がかかる「Steel Nomad」では777.5W、最も消費電力が低かった「Cyberpunk 2077」でも724.5Wで、「AORUS GeForce RTX 5090 MASTER ICE 32G」の消費電力はかなり多い。今回はCPUにTDP120WのRyzen 7 9800X3Dを使用しているが、さらに消費電力の大きいRyzen 9 9950Xや、Intel Core i9、Intel Core Ultra 9を組み合わせる場合は、余裕を持って1,200W以上の電源ユニットを用意したい。
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テストセッションのラストは「WINDFORCE冷却システム」の冷却性能を確認していこう。なおDual BIOSは「Performance」と「Silent」の2種類を選択し、「Performance」時には120mmファンを増設したクアッドファン状態でも検証を行っている。
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「Silent」では、ファン回転数がいずれも1,200rpm前後で頭打ちになるが、GPU温度は最高79.5℃で「GeForce RTX 5090 Founders Edition」とほぼ同じ。メモリ温度は最高80℃で、約10℃も低くなった。
「Performance」では、ファン回転数は1,800rpm前後まで上昇するが、風切音についてはCPUクーラーのほうがうるさく気にならないレベルだった。またGPU温度は最高74.7℃、メモリ温度は最高76℃に低下。さらにクアッドファンでは、GPU温度は最高72.4℃、メモリ温度は最高73℃まで低下し、「WINFORCE冷却システム」の冷却性能は極めて優秀といっていいだろう。
NVIDIAの新フラッグシップGPU GeForce RTX 5090を搭載していることもあり、今回検証したゲームではいずれも優秀な結果を記録した。さらに新機能であるDLSS 4の効果も大きく、レイトレーシングで描画する重量級のゲームでも4K解像度での高リフレッシュレート環境が現実的な選択肢になる。
さらに「AORUS GeForce RTX 5090 MASTER ICE 32G」は、OCモデルの中でも高クロック仕様に仕上げられており、間違いなく現行のグラフィックスカードの中では最高クラスのパフォーマンスを発揮する。
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その分消費電力もかなり強烈だが、オリジナルクーラー「WINDFORCE冷却システム」により、冷却性能に不安はない。特に120mmファンを追加した状態では、GPU、メモリともミドルレンジグラフィックスカード並の温度まで下げることができるため、TGP575WのGPUである事を感じさせない。
敢えて懸念事項を挙げるとするなら360mmというカード長や、75mm(クアッドファン構成時は100mm超え)という厚さだけに、PCケースの選定には注意が必要になる。とは言え、このクラスのグラフィックスカードを購入するハイエンドユーザーであれば、織り込み済みだろう。
提供:GIGABYTE TECHNOLOGY