エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1505
2025.02.11 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
外観上の特徴がデジタルディスプレイなら、構造上の特徴は受熱ベースプレートだ。ASSASSIN IVから冷却性能をアップグレードさせたASSASSIN IV VC VISIONでは、新たにベイパーチャンバー(vapor chamber)が採用されている。
自作PCパーツではハイエンドクラスのCPUクーラーで採用されており、一部グラフィックスカードのVGAクーラーにも使用されている。エルミタでも幾度となく取り上げているが、ここで簡単におさらいしておくと、中空構造の受熱ベース内部に、揮発性能の高い液体を封入。熱伝導性を上げる事で、ヒートパイプが素早くデュアルタワーヒートシンクへと熱を拡散させている。
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ASSASSIN IVの受熱ベースプレート部。サイズは実測で幅約40mm、長さ約46mmの長方形だった |
フラットなASSASSIN IVと比較すれば違いは明らかで、ASSASSIN IV VC VISIONでは中心から放射状に伸びる”中心線”さながらの凹凸部と、実測で約60x60mm(正方形)のベースプレート面で構成されている。
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画像下がメモリスロット側ヒートシンク、上がバックパネル側ヒートシンク+排気ファン。ベイパーチャンバー採用受熱ベースプレートはヒートシンクのほぼ中央部にレイアウトされている事が分かる |
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ちなみに出荷時は受熱ベースプレート部に「Warning! Remove Before Installation」と記された保護シールが貼り付けられている。色付きで分かりやすいため、うっかり剥がし忘れる確率が低くなるだろう |
そしてφ6mmヒートパイプは、合計7本が使用されている。多くのCPUクーラーでは6本が標準的だけに、プラス1本が上位機種である事を窺わせる。ブラックメッキ処理が施されたヒートパイプは、ベイパーチャンバーとの組み合わせにより、最大TDP300Wサポートを実現している。
ちなみにデュアルタワーヒートシンクに貫通するヒートパイプのレイアウトは、Uの字に曲げられた中央の1本から角度を付けながら左右に各3本ずつがほぼ等間隔で並んでいる。これは熱伝導の均一化を目的とし、アルミニウム製フィンの放熱効率を最大化させている意図が読み取れる。
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仕上がりも美しく、工作精度の高さも冷却性能の向上には欠かすことができない |