エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1505
2025.02.11 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
ここからはASSASSIN IV VC VISIONを実際にPCに組み込み、注目の冷却性能を確認していこう。まずはAMD Ryzen 9000シリーズのフラッグシップモデルRyzen 9 9950Xからだ。ファンの回転数は「Performance Mode」と「Quiet Mode」を選択し、ストレステストには「OCCT 13.1.13:CPU:Variable」と「CINEBENCH 2024:30 minutes(Test Stability)」を使用。CPU温度は「CPU (Tctl/Tdie)」の数値、騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をPCから30cmの距離に設置して計測した。
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TDP170Wで、16コア/32スレッドに対応するRyzen 9 9950X。Ryzen 9000シリーズの中では最もTDPの高いCPUになる |
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「Ryzen Master」を確認したところPPTは200W、TDCは160A、EDCは225Aに設定されていた |
検証を行う前に、トップに装着するデジタルパネルの動作を確認していこう。天板部分にはマグネットで固定し、ポゴピンを経由して電源と表示データをやり取りする仕組み。表示される内容はCPU温度(℃または℉)、使用量(USAGE/%)、ワット数(POWER/W)、周波数(FREQ/GHz)の4種類で、使用する場合にはクーラー本体から伸びるUSB 2.0ケーブル(9pin)をマザーボード上のコネクタに接続して、専用アプリ「DeepCreative」をインストールしておく必要がある。
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「DeepCreative」を起動したところ。PCの状態をリアルタイムに確認できる |
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デジタルパネルのON/OFFや、高温時のインジケータ、ゼロ埋めモードなどの設定が可能 |
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オプションの設定では、「DeepCreative」の自動起動や温度単位の選択ができる |
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設定した内容はリアルタイムで表示内容に反映される |
「OCCT 13.1.13」の結果を確認すると、処理内容が変わる瞬間に温度が80℃前後まで跳ね上がるシーンがあるものの、Package Powerが150W前後と控えめなこともあり、CPUの平均温度は「Performance Mode」で約64.7℃、「Quiet Mode」でも約66.3℃で頭打ちになる。
また、Package Powerが200Wまで上昇する「Cinebench 2024」でも、「Performance Mode」が約79.1℃、「Quiet Mode」が約80.2℃で、ASSASSIN IV VC VISIONならRyzen 9 9950Xの定格動作で冷却性能が不足することはないだろう。
「OCCT 13.1.13」では、「Performance Mode」でファン回転数は1,200rpm前後、騒音値は32dBA前後、「Quiet Mode」ではファン回転数は1,000rpm前後、騒音値は30dBA以下まで低下し、バラック状態でもほとんど無音に近い状態。途中瞬間的にファン回転数が上昇する場合でも、40dBAを超えることはなく常に静音性を保ったまま動作する。
続いて「Cinebench 2024」の結果を確認すると、「Performance Mode」ではファン回転数が1,500~1,900rpm、騒音値は42~46dBAまで上昇し、やや風切音が気になる。ただし、「Quiet Mode」ではファン回転数が1,500rpm前後、騒音値も40dBA前後まで低下し、風切音はかなり控えめになる。CPUの温度も問題ないことから、Ryzen 9 9950Xでは「Quiet Mode」の設定でいいだろう。