エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1507
2025.02.16 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
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CPUソケットには、新型の「RL-ILM」(Reduced Load-independent loading mechanisms)を採用。ヒートスプレッダの反りを抑えることで、CPU温度を下げることができる |
PCの安定動作に重要な電源回路は12(Vcore)+1(VccGT)+2(VccSA)フェーズのデジタルTwin回路で、エントリークラスの製品としては充実している。「Vcore」や「VccSA」のMOSFETは、DrMOSではなくハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET、ドライバICを組み合わせたレガシースタイルだが、電源損失が少なく低インピーダンスな「PPak MOSFET」や、「Premium Choke」「Premium Capacitor」など高品質なパーツが採用されている。
また放熱面積を4倍に拡張した大型VRMヒートシンク「VRM Thermal Armor Advanced」や、ヒートシンクの容量に合わせて電源回路の配置を調整する「VRM Thermal Balance」、熱伝導率5W/mkの高性能サーマルパッド、低損失な6層PCBを組み合わせることで、長時間高負荷状態が続く、ゲームプレイや動画のエンコードなどでも安定動作を可能にしている。
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VcoreとVccSA用の電源回路には「PPak MOSFET」をVccGT用の電源回路には40Aの「DrMOS」を搭載 |
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VRMコントローラにはOnsemiの「NCP81567」を搭載 | 8pin×1の補助電源コネクタには電力伝導性と放熱性に優れる「UD電源コネクタ」を採用 |
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CPUソケット上側のVRMヒートシンクは2本のネジで基板に固定。また冷却フィンや溝を設けることで放熱面積を稼いでいる |
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CPUソケット左側のVRMヒートシンクにも冷却フィンを備える。またMOSFETだけでなく、チョークコイルとの接触部にもサーマルパッドが貼り付けられていた |
チップセットには、LGA1851向けミドルレンジの「Intel B860」を採用する。Intel Z890からCPUのオーバークロック機能やレーン分割機能が省略されているが、グラフィックスカード、M.2 SSDともPCI Express 5.0に対応。さらにメモリのオーバークロック機能を搭載しており、多くのユーザーは機能面で不満を感じることは無いだろう。
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チップセットには、実測で幅63mm、長さ75mm、厚さ10mmのアルミニウム製ヒートシンクを搭載 |
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Intel B860チップセット。パッケージサイズは28×23.5mm、TDPは6Wで、CPUとはDMI 4.0(x4)で接続されている |
メモリスロットはデュアルチャネル対応のDDR5×4本で、最大256GB(64GB×4)まで増設できる。また表面実装技術や、基板の設計にAIを活用する「AI駆動基板設計」、BIOSの最適化などにより、最高9,066MHz+までの高クロックメモリに対応する。さらに「AORUS AI Snatch」を使えば、メモリのオーバークロックも比較的簡単に行うことができる。
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メモリスロットはCPUソケット側からDDR5-B1/B2/A1/A2の並び。1枚で運用する場合はDDR5_A2またはDDR5_B2、2枚で運用する場合はDDR5_A2/DDR5_B2を使用する |
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「UC BIOS」にはDDR5-1066~DDR5-15066までのメモリクロック設定が用意されており、手動でのオーバークロックでも困ることはないだろう |
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Intel XMP 3.0のプロファイルは「EASY MODE」からも読み込むことができる |