エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1507
2025.02.16 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
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「B860 EAGLE WIFI6E」の上段M.2スロットには、発熱の多いM.2 SSDを冷却するため「M.2 Thermal Guard」と呼ばれるヒートシンクが標準装備されている。その冷却性能をチェックするため、最大12GB/sを超える転送速度を誇るCrucial「T700」シリーズの2TBモデル「CT2000T700SSD3JP」を使い、「CrystalDiskMark 8.0.6」をデータサイズ64GiB、テスト回数5回に設定し、3回連続で実行している。
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テスト1回目の「CrystalDiskMark 8.0.6」の結果 | テスト3回目の「CrystalDiskMark 8.0.6」の結果 |
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アイドル時のサーモグラフィ | 高負荷時のサーモグラフィ |
重量約38.6gのスリムヒートシンクということもあり、テスト1回目のシーケンシャル読込から温度は80℃を超え、サーマルスロットリングが発生している。その後も瞬間的に性能が回復するシーンはあるものの、概ね6,000MB/s前後で転送速度は頭打ちになってしまう。
そこで、PCケースファンを搭載した場合を想定して、マザーボードの端から約100mmのところに120mmファン(回転数は800rpm前後で固定)を設置した状態でもテストを実行した。
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テスト1回目の「CrystalDiskMark 8.0.6」の結果 | テスト3回目の「CrystalDiskMark 8.0.6」の結果 |
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アイドル時のサーモグラフィ | 高負荷時のサーモグラフィ |
ファンを追加することで、1回目の読込テストはほぼ定格通りの性能を発揮することができるようになった。ただし、書込テストでは、シーケンシャルテストの後半で温度が80℃を超えてしまい、サーマルスロットリングが発生する。その後は、ファンなしの状態よりは温度の上昇は緩やかになるが、冷却性能は不足気味になる。本格的にPCI Express 5.0(x4)接続のハイエンドSSDを運用するのであれば、ヒートシンクの換装を検討したほうがいいだろう。
Intel B860では、CPUのオーバークロック機能は省略されているが、メモリのオーバークロックには対応する。さらにGIGABYTE「B860 EAGLE WIFI6E」では、「AORUS AI Snatch」機能により、面倒なタイミングや電圧を設定することなくメモリの性能を引き出すことができる。そこで今回はDDR5-6200動作のメモリを使って「AORUS AI Snatch」機能を試してみることにした。
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「AORUS AI Snatch」を起動して、「Restart with AI」をクリックすると最適なメモリスピードとタイミングを自動的にチェックする |
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チェックが完了すると、最適なメモリスピードが「Predict Result」に表示される。その後「Apply」をクリックして注意画面で「OK」をクリックすると自動的にPCが再起動して「UC BIOS」が表示される |
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画面左下の「XMP AI BOOST」から、「Predict Result」で表示された設定を選択すればメモリのオーバークロックは完了 |
今回のメモリではDDR5-6800までオーバークロックが可能と表示されたため、「XMP AI BOOST」で該当のプロファイルを選択したが、OSの起動はもちろん、ベンチマークテストも問題なく動作させることができた。そこで、メモリ関連のベンチマークでどの程度パフォーマンスに影響があるのか試してみることにした。
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今回のメモリでは、定格でDDR5-6200までの動作が可能 | 「AORUS AI Snatch」で表示されたDDR5-6800でも動作に全く問題はなかった |
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こちらはもともとメモリに登録されているDDR5-6200のXMPプロファイルを読み込んだところ | JEDEC準拠のDDR5-4800の設定でもテストを実施した |
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メモリ帯域はDDR5-4800からは50%以上、DDR5-6200との比較でも約7%向上している。さらにゲームでの影響が大きいレイテンシはDDR5-6200から約6%、DDR5-6800からは約20%も短縮されており、オーバークロックによるメリットは確実にある。最近価格がこなれてきたDDR5-6000前後のメモリを購入して、「AORUS AI Snatch」を併用すれば、メモリの帯域幅やレイテンシをかなり向上できるだろう。