簡易チューニング機能「GIGABYTE PerfDrive」を試す
続いて「UC BIOS」に実装されている簡易チューニング機能「GIGABYTE PerfDrive」を試していこう。今回は定格動作の「Intel Default Settings – BaseLine」に加えて、Intel公称のチューニング設定「Intel Default Settings – Performance」と、GIGABYTEのオリジナルチューニング設定「Unleash」を選択している。なおメモリクロックについては「AORUS AI Snatch」で設定したDDR5-6800のままでテストを行っているが、動作が不安定になることは一度もなかった。
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「Intel Default Settings-BaseLine」では、PL1=125W、PL2=177Wに設定
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「Intel Default Settings-Performance」では、PL1=250W、PL2=250Wに設定
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「Unleash」では、PL1=4,095W、PL2=4,095Wに設定
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まず「CINEBENCH」系ベンチマークの結果を確認すると、シングルコアテストではいずれも電圧・電流の制限を超えることがないためスコアに違いは出なかった。一方マルチコアテストでは、「Intel Default Settings – Performance」や「Unleash」では順当にスコアが上昇し、テスト時間が長い「CINEBENCH 2024」では「Intel Default Settings – BaseLine」に比べて「Unleash」は約10%、それ以外のテストでも約7%上回るスコアをマークした。CPUクーラーの冷却性能が十分という条件はあるものの、動画エンコードや3Dレンダリングなど、マルチスレッドに最適化した処理を行う場合には「Unleash」を選択することで、処理時間を短縮することができる。
続いて、ゲーム関連のテストとして「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」と「モンスターハンター:ワールド」のベンチマークを試してみた。「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」では、フルHD解像度やWQHD解像度では大きな違いはなかったものの、4K解像度では「Unleash」にすることで「Intel Default Settings – BaseLine」からスコアが約6%向上している。
また「モンスターハンター:ワールド」では、フルHD解像度ではスコアは横並びだが、WQHD以上の解像度では「Intel Default Settings – Performance」や「Unleash」にすることで、スコアが向上している。「CINEBENCH」系のマルチコアテストほど影響は大きくないが、ゲームでも簡易チューニングによってスコアが上がる物があることは覚えておくといいだろう。
VRMヒートシンクの冷却性能を確認
テストセッションのラストはVRMヒートシンクの冷却性能をチェックするため、「Unleash」に設定した状態で「Cinebench 2024」を10分間連続動作する負荷テストを実行してみた。
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アイドル時のサーモグラフィ
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高負荷時のサーモグラフィ
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今回は、CPUソケット周辺に全くエアフローのないオールインワン型水冷ユニットを搭載した状態でテストをしているが、MOSFETの温度は最高でも72℃までしか上がらずVRMヒートシンクの冷却性能は良好だった。Package Powerもテストが切り替わる瞬間を除けば170W前後で安定しており、ハイエンドCPUのポテンシャルを引き出すことができている。
ハイエンドCPUにも対応するコスパ良好なゲーミングマザーボード
Core Ultra 200S向けのゲーミングマザーボードでは、最安クラスとなるエントリーモデル「B860 EAGLE WIFI6E」。Thunderbolt 4(USB4)や、Wi-Fi 7といった最新インターフェイスが省略され、リアインターフェイスのUSBポートも少なめ。さらにスイッチング素子にも主流のDrMOS(およびSPS)ではなく、PPak MOSFETを採用するなどコスト削減の影響はある。
とは言え、エントリーモデルながら充実した12+2+1フェーズのデジタル電源や大型VRMヒートシンクのおかげで、Core Ultra 7 265Kの無制限設定でも安定動作が可能。CPUの持つポテンシャルを十分に引き出すことができていた。また高クロック動作に対応するメモリスロットや、PCI Express 5.0のフルサポートによって、ハイエンド構成のゲーミングPCにも対応する。
そしてコスト重視のモデルでは省略されることが多い「PCIe EZ-Latch Plus」や「WIFI EZ-Plug」のような、ユーザーの利便性を追求した機能が充実しているのも特徴。自作PCにあまり慣れていない初心者にも安心しておすすめできる製品だ。
提供:GIGABYTE TECHNOLOGY