エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1508
2025.02.19 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
続いて消費電力をチェックしていこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、各ベンチマークについては4K解像度でテスト実行中の最高値を取得している。
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GPUのみに負荷がかかる「Steel Nomad」では、GeForce RTX 5070 Tiの391.7Wに対して、GeForce RTX 4070 Ti SUPERは382.6Wで、その差は10W未満に留まる。またCPUにも一定の負荷がかかるゲーム系のベンチマークでもその差は10W前後で、GeForce RTX 4070 Ti SUPERからの換装であれば、消費電力の違いを気にする必要はないだろう。またGeForce RTX 5080に比べると「Steel Nomad」で約60W、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」では約70W、「Cyberpunk 2077:Phantom Liberty」でも約40W消費電力が削減されており、電源ユニットへの負荷は軽減されている。
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テストセッションのラストはオリジナルトリプルファンクーラーの冷却性能を確認していこう。なおストレステストには「Steel Nomad Stress Test」を使用している。
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ファンの回転数は1,500rpm前後、回転率は約40%で頭打ちになり、高負荷時でも冷却ファンのノイズが気になることはなかった。またGPU温度は最高64℃、メモリ温度は最高69℃で頭打ちになり、Palit「GeForce RTX 5070 Ti GamingPro」に搭載されているオリジナルトリプルファンクーラーは冷却性能、静音性ともに優秀だった。
GeForce RTX 5070 TiのCUDAコア数は8,960基と、先代モデルGeForce RTX 4070 Ti SUPERから約6%の微増に留まる。しかし、「3DMark」系のベンチマークでは最大20%以上、実際のゲームでも4K解像度を中心におおむね10~15%高いパフォーマンスを発揮し、アーキテクチャの刷新や高速なGDDR7メモリを採用したメリットは大きいことがわかる。さらにマルチフレーム生成機能を搭載したDLSS 4に対応するゲームなら、2倍以上のパフォーマンスを発揮するものもあり、4K解像度での高リフレッシュレートなゲームプレイも現実的な選択肢になる。
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そして上位モデルであるGeForce RTX 5080との比較でも実ゲームの性能差はおおむね10~15%に収まり、CUDAコア数の差に比べると控えめ。それでいてNVIDIAの国内価格はGeForce RTX 5080より約5万も安価に設定されており、コストパフォーマンスに優れているのも大きな魅力と言えるだろう。
唯一の懸念点が、流通量が十分確保されるのかということ。先発のGeForce RTX 5090/5080を含めて、NVIDIAには少しでも早くGeForce RTX 50シリーズの品薄が解消できるよう尽力して欲しい。
協力:NVIDIA Corporation