エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1511
2025.02.26 更新
文:編集部 Tawashi/撮影:pepe
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レビューの最後は、実際に「MPG 325CQRXF」を使った実動インプレッションをお届けする。動作検証にあたっては、Core i7-13700KFとGeForce RTX 4080を搭載するMSIのハイエンドゲーミングマシン「Aegis Ti5 13NUG-257JP」を用意。WQHD(2,560×1,440ドット)解像度でリフレッシュレート280Hz動作をさせつつ、大画面と1,000Rで体験できる没入感をチェックしていこう。
まずは夜景による映り具合、さらに資料、表計算ソフトを並べて表示するなどのオフィスワーク、動画のタイムライン編集の様子を確認。続いて「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」ベンチマーク、さらに「Apex Legends」や「フォートナイト」のプレイ画面を通して映り具合をチェックしている。
人間の視野と同等とされる1,000Rの曲率をもつ「MPG 325CQRXF」。実際に動画を視聴すると、まるで画面に包まれるような高い没入感を見事に演出している。やはり真価を発揮するのはゲームで、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」のようなMMORPGやRPGでは迫力あるプレイが楽しめる。構造上、左右端では輝度とコントラストの低下があり角度をつけるとその変化はさらに大きくなるが、ユーザーは画面中央にポジションするため、それほど気になることはない。
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また、PlayStation 5やXbox Series X/Sといったコンシューマゲーム機では、最大1440p/120Hzの高速リフレッシュレート表示が可能だ。テスト動画ではPS5を使った「Apex Legends」や「フォートナイト」プレイ時の様子を撮影している。なお、動作中の消費電力を計測したところ、アイドル時(リフレッシュレート60Hz/Windows起動後10分何もしていない状態)で31W、リフレッシュレート280Hzでゲームをプレイした時は39Wとなっていた。
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実際のゲームで有用な補正機能のひとつ「ナイトビジョン」と「AI Vision」の効果を動画で検証していく。暗闇や夜といった暗いシーンの映像を見やすく補正してくれるもので、ゲーム中に薄暗い場面で見にくいアイテムを発見したり、敵との戦闘で役立ってくれる。設定は「オフ」と自動で効果を調整してくれる「A.I.」のほか、効果のレベルに応じて「通常」から「最も強い」の5段階から選択できる。
比較映像を見ると「オフ」では見にくかった暗いシーンが、機能を有効にすると通常/強い/最も強いの順に見やすくなっているのがわかる。検証に使用した「BIOHAZARD RE:4」は、特に暗いシーンが多いゲームだが、「ナイトビジョン」の恩恵を分かりやすく感じることができる。
もうひとつ、「ナイトビジョン」とは排他動作となるが「ナイトビジョン“強”設定では明る過ぎる」という人に試してもらいたいのが「AI Vision」だ。こちらはシーンに合わせて、暗い部分を明るくするだけでなく、全体の輝度とコントラスト(色の彩度)を向上させるというもの。実際にはわずかに彩度が強化されているようだが「ナイトビジョン」と比べて、より自然に調整してくれる印象だった。ゲームタイトルによって使い分けるとよさそうだ。
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個人的に推したい機能が、キーボード・マウスなど2つのUSBデバイスを2台のPCで共有できる「KVMスイッチ」機能だ。ディスプレイ背面のUSB Tyep-A(ハブ)にキーボードとマウスを接続し、付属のUSB Type-A – Type-BケーブルをメインPCに接続すれば準備完了。動画ではノートPCをUSB Type-C(DP Alt mode)に接続していたが、映像信号をType-Cに切り替えるだけで、同時にキーボード・マウスがノートPC側で使用可能になった。
特にテレワークなどでノートPCをディスプレイに接続して使う場合などでは、配線を変更することなく使い慣れたデバイスを共有できるメリットがある。USBメモリや外付けHDDなどを接続し、2台のPC間でデータストレージを共有するといった使い方もアリだが、なにより使いなれたキーボードとマウスでノートPCの操作ができる点は想像以上に便利だ。
テストセッションの最後はリフレッシュレートチェックだ。テストでは、それぞれ60Hz/120Hz/240Hz/280Hz設定における違いを比較していく。できるだけ分かりやすく体感するために、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用。ディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
検証動画の通り、非常にわかりやすい結果となった。リフレッシュレートが高くなるにつれてより低残像でコマ送り感のない滑らかな描画を実現している。コントラストを強化したRAPID VAパネルを採用しており、最大280Hzの高速駆動ではオーバーシュートやゴーストといった破綻は一切なく、流れるように安定した画面更新がされる様は圧巻。120Hz設定との比較でもその差は歴然だ。
湾曲液晶ディスプレイと言っても、その種類はさまざま。中でも曲率1,000Rの「MPG 325CQRXF」はかなりクセが強い部類だろう。初めて実機を目にした人は、曲がり具合に驚く人も多いはずだ。その分、1,000Rの湾曲パネルと31.5型の大画面がもたらす没入感はまさに想像以上。さながら画面に包まれるような感覚を味わうことができるのは、1,800Rや1,500Rといった曲率の湾曲モデルと比べても格別。こればかりは、本機のみが持つ大きな魅力だ。
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さらにリフレッシュレート280Hzという高いゲーミング性能に加え、非常に実用的な「KVMスイッチ」まで搭載しているという多機能ぶり。慣れたデバイス類を使い回せるメリットは大きく、大変オススメの便利機能だった。「モンスターハンターワイルズ」をはじめゲームのための液晶ディスプレイを探しているという人は、可能であればぜひ一度店頭で“没入感”を体験してほしい。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社