TDP105Wモードで性能が大幅向上、電源回路への負担はほぼ変化なし
まずはCPUの純粋なパフォーマンスを計測できるCINEBENCH系ベンチマークテストを使用し、その性能とTDPモード変更による挙動の違いを見ていこう。
さすがにTDPを65Wから105Wに引き上げた影響は大きく、(シングルコア性能は同等ながら)マルチコアテストで最大20%以上をマークする大差がついた。設定自体はUEFIの該当項目を有効化するだけとお手軽ながら、ワンランク上のCPU性能を手に入れることができる。
そしてベンチマークテストで負荷がかかっている最中には、動作クロックやPackage Powerはどのような挙動を示しているのか。「Cinebench 2024」の連続テストである「Cinebench 2024:10minutes(Test Throttling)」を動作させ、その推移を確認することにした。
TDP65Wモードにおいても、Precision Boost Overdrive 2によりPackage Powerは90W近くまで上昇しており、動作クロックは4GHz台半ばから5GHz程度で動作していた。
そしてTDP105Wモードにスイッチすると、Package Powerは140W前後まで上昇しクロックも安定して5.3GHz前後で動作。高い水準で安定したパフォーマンスを発揮できている。その一方でVRM温度は5℃程度しか変わらず、電源回路の優れた安定性を再確認できた。
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高負荷時におけるTDP65W(左)と105W(右)の違いをサーモグラフィで観察。表面温度は最大3℃程度しか変わっておらず、まだまだ余裕がありそうだ
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