エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1513
2025.03.02 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
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「TUF GAMING B850-PLUS WIFI」は最新ストレージのPCI Express 5.0対応SSDを搭載可能で、それを冷却する専用ヒートシンクも標準装備している。しかしPCI Express 5.0対応SSDは発熱の大きさが運用する上での課題になっており、ヒートシンクの冷却性能はSSDのパフォーマンスを発揮させるための重要なトピックだ。
だいぶ薄手のシンプルなヒートシンクを備える「TUF GAMING B850-PLUS WIFI」だが、ここではその冷却性能をストレージベンチマークテストの「CrystalDiskMark 8.0.6」を使用して検証する。なお検証に際しては、PCI Express 5.0(x4)に対応するTeam「T-FORCE Z540」シリーズの2TBモデル「TM8FF1002T0C129」を用意した。
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最初に「TM8FF1002T0C129」のスペックを確認しておこう。転送速度は公称でシーケンシャル読込最大12,400MB/s、同書込最大11,800MB/s、ランダム読込140万IOPS、同書込140万IOPSという、PCI Express 5.0(x4)対応モデルの中でも高速な部類に入る優秀なSSDだ。
それを念頭に「CrystalDiskMark 8.0.4」のスコアを見ていくと、ほぼ公称値と同等の良好な結果をマークしていた。
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しかし3回連続でテストを実行したところ、「TM8FF1002T0C129」のサーマルスロットリングしきい値である70℃をオーバー。最大で80℃前後に達することもあり、長時間の読み書きが連続するとサーマルスロットリングが発生するようだ。PCI Express 5.0対応SSDのパフォーマンスを最大限に発揮させるには、ヒートシンクに風が当たる環境を用意するか、ヒートシンク付きSSDをチョイスするといった手立てが必要になるだろう。
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サーモグラフィでヒートシンクの表面温度をチェックすると、高負荷時には最大60℃を超えていた |
さすが前世代でセールス的に成功した人気モデルの後継と言うべきか。チップセットの性能に大きな違いはなくとも、「TUF GAMING B850-PLUS WIFI」は十分な進化を感じさせる完成度を備えていた。
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拡張スロットとM.2スロットがともにPCI Express 5.0に対応するのは前世代と同様ながら、電源周りやその冷却機構、メモリスロットが強化。新たにWi-Fi 7をサポートしたほかクイックリリース機構のような便利ギミックも随所に備えるなど、機能や使い勝手がうまくアップグレードされている。
あとはもうちょっと大振りなM.2ヒートシンクを搭載してくれれば、ほぼ機能面における不満はないと言っていい。
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市場において多数の選択肢があるAMDプラットフォームのマザーボード。AMD B850搭載モデルの本領発揮は、もう少し価格が落ち着くのを待つ必要があるのかも |
しかしその一方で、後発の製品とあって価格面の釣り合いが取れていないのは悩みどころ。同じCPUが使える安価なAMD B650搭載マザーボードがまだ市場に多く残っているほか、発売から日が経っている上位モデルのAMD X870搭載マザーボードとの価格差もそれほど開いていない。同様にリリースからもう少し時間が経って価格がこなれてくれば、ミドル向け製品ならではの手頃さが際立ってくるはずだ。
提供:ASUS JAPAN株式会社