エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1515
2025.03.05 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
各種パフォーマンス検証が一段落したところで、「Radeon RX 9070 XT Taichi」および「Radeon RX 9070 Steel Legend」が搭載するクーラーの冷却性能を見ていこう。ストレステストに「Steel Nomad Stress Test」を使用し、フルロード時におけるGPUの発熱とその冷却を担うクーラーの挙動をチェックする。
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まず「Radeon RX 9070 XT Taichi」から見ていくと、GPU温度は50℃未満とド安定。ファン回転数も1,600rpm前後と余裕があり、高負荷時でもノイズが気になることはなかった。3スロット占有の巨大なヒートシンクや8本ものヒートパイプ、独自の3連ファンを組み合わせた大型クーラーの面目躍如と言ったところ。
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続いて「Radeon RX 9070 Steel Legend」をチェックすると、やはりGPU温度は最大でも63℃と安定している。ファン回転数はテスト開始直後こそ1,500rpmまで上昇したものの、その後は1,000~1,200rpmに留まっていた。一定の温度をキープしつつ騒音を最小限に抑えるという、スマートな動作設定になっているようだ。
テストセッションの締めくくりとして、「Radeon RX 9070 XT Taichi」および「Radeon RX 9070 Steel Legend」を搭載するシステムの消費電力をチェックしよう。ストレステストの「Steel Nomad Stress Test」を動かした際の最大値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時として、ワットチェッカーで計測を行った。
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デフォルトTDPが170WのRyzen 9 9950Xを搭載するシステムとしては、ほぼGPUのTGP通りと言える結果になった。参考値のGeForce RTX 5070 Tiに比べてRadeon RX 9070 XTは100Wほど多く、Radeon RX 9070で同等と言ったところ。メーカーのASRockが推奨する電源容量である850Wと700Wの環境であれば、無理なく動かすことが可能なようだ。
まさに期待されていた通りのパフォーマンスと言ったところ。Radeon RX 9070 XTは競合と目されているGeForce RTX 5070 Tiに対し、同等以上のパフォーマンスを発揮してくれた。モンスターハンターワイルズなど一部タイトルでは、Radeon RX 9070でもGeForce RTX 5070 Ti搭載環境を上回るシーンがあり、かなりのコスト勝ちが見込める結果になった。今後ミドルレンジ帯のゲームチェンジャーになりそうな、優れたコストパフォーマンスのGPUと言える。
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その一方で、旧世代からレイトレーシング性能が大きく向上したものの、GeForceに比べてまだまだ対等とは言えない結果に。ただし4Kでも圧倒的な快適さが見込めるFSR 4が利用できれば、レイトレーシング環境でもプレイ水準の大きな改善が期待できる。ドライバの成熟度合いと機能の普及次第ながら、こちらも今後に期待と言ったところだろう。
あとは実際にどのくらいの価格で販売されるかと、どのくらいの数が流通するのか。ミドルレンジ帯をAMDの新GPUが席巻するような流れになれば面白いが、はたして。
協力:AMD
ASRock Incorporation