エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1518
2025.03.15 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
各種ベンチマークなどのパフォーマンス検証が一段落したところで、「NITRO+ Radeon RX 9070 XT」および「PULSE Radeon RX 9070 XT」の冷却面における挙動にフォーカス。搭載する「Tri-X」クーラーの実力を確認しよう。
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まず「NITRO+ Radeon RX 9070 XT」から見ていくと、GPU温度は60℃前後と控えめ。動作クロックも安定していたが、ファン回転数は概ね1,300rpmほどとまだ余裕を残していた。高負荷時でも過度にファンを動かさず、冷却と静音のバランスをとりながら稼働しているという印象だ。
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続いて「PULSE Radeon RX 9070 XT」の方だが、GPU温度はNITRO+より低い50℃台前半に留まった。動作クロックがNITRO+より若干低めなため、その分温度を低く保てているようだ。基本的に両者が搭載するクーラーの冷却性能は同等と考えていいだろう。
その上で動作中の騒音値を見比べてみると、NITRO+とPULSEでほぼ変わらずという結果。それぞれのカードでクロックなどのスペックに違いはあるものの、同等水準の騒音に収まるようスマートな動作に設定されているようだ。
最後は「NITRO+ Radeon RX 9070 XT」および「PULSE Radeon RX 9070 XT」を搭載するシステムの消費電力をチェックし、各種検証を締めくくろう。ストレステストの「Steel Nomad Stress Test」を動かした際の最大値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時として、ワットチェッカーで計測を行った。
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アイドル時の差こそ10W未満ながら、ピーク時のみではあるものの最大の消費電力は50Wの差がついた。NITRO+の方が安定して高いクロックで動作しているためで、この違いを大きいととるか無視できるかはユーザー次第と言ったところ。あくまでパフォーマンス重視なら気にならないかもしれないが、エコ動作を志向するならPULSEを選ぶのも大いにアリだろう。
さすがミドルレンジシーンで注目を集めるRadeon RX 9070 XT搭載モデルとあって、重量級の最新タイトルでも4Kプレイが狙えるだけの優秀なパフォーマンスを発揮してくれた。アップスケーリング技術のFSR 4が利用できればさらにゲーム中のフレームレートが跳ね上がり、4K環境でもゲーミング液晶のポテンシャルが最大限に活かしきれる。
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そして今回は、そのRadeon RX 9070 XTを搭載する「NITRO+ Radeon RX 9070 XT」と「PULSE Radeon RX 9070 XT」を並べて検証。決して大差ではないものの、NITRO+はクロック差を反映してPULSEを安定して上回るパフォーマンスを見せてくれた。PULSEの方もほぼ同等の性能を発揮しながら、より低温かつエコな動作と見どころ十分。両者の個性がテスト結果にも表れている。
ただしNITRO+に関しては、パフォーマンスだけでなく「FrameDefense」+SPCCフレームによる堅牢性、2層メタルバックプレートによるケーブル隠しギミックなど、トータルの完成度で差をつけている。両者の価格差は1.5万円ほど。買ったぞ感のある最上位か、コストパフォーマンスを選ぶのか、なかなかに難しい選択だ。
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