エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1525
2025.04.11 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
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ASRock「B860 LiveMixer WiFi」 市場想定売価税込39,800円(2025年1月14日発売) 製品情報(ASRock) |
2022年にASRockから登場した「LiveMixer」シリーズは、業界でも珍しいストリーマー向けのマザーボード。ゲーマーやクリエイター向けモデルに比べて機能もコストも控えめに抑えるという立ち位置に加えて、最大の特徴と言えるのはストリーマーが必要とする多彩な外部デバイスをハブなしでカバーできる、多数のUSBポートだ。
ストリーマーはキーボード・マウスなどの入力デバイスに加えて、カメラやマイク、キャプチャユニット、ライト、ストリームパッドといった配信機材、さらにヘッドセットやスピーカー、外部ディスプレイに至るまで、実に多彩な外部デバイスを必要とする。それらをすべて接続可能なポート数を確保しつつ、同時に安定して動作させるための信頼性もなければならない。
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自作PCファンの度肝を抜くデザインが印象的だった「LiveMixer」シリーズの初代モデル。ストリーマー向けという珍しい立ち位置の製品として登場した |
そうしたニーズに応える製品が「LiveMixer」シリーズで、第1世代モデルは個性を追求するストリーマーを意識した(芸術性のある落書きをイメージしたという)カラフルなデザインを採用。ス○ラトゥーンとのコラボと言われても信じてしまいそうな、奇抜なカラーリングに驚かされた人は多かったのではないだろうか。
ここで今回の主役である「B860 LiveMixer WiFi」に目を向けると、ガラリとデザインコンセプトが変更されたことに気がつくはずだ。サウンドウェーブにインスパイアされたパターンが採用されており、ヒートシンクのカラーも落ち着いたガンメタリックに刷新。とても同じシリーズとは思えないほどの変身だが、(クリエイターなど)ストリーマー以外のユーザーでも違和感なく使えるデザインに仕上げられたと言える。
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1月に開催されたメディア向け内覧会にも持ち込まれていた「B860 LiveMixer WiFi」。注目モデルの一角として、最新ミドルチップのローンチと同時に販売が開始された |
引き続き「B860 LiveMixer WiFi」の基本仕様をチェックしておこう。ミドルレンジ向けのIntel B860チップを採用するマザーボードで、12+1+1フェーズ構成の電源回路を搭載。上位モデルに比べてフェーズ数こそ多少控えめなものの、サイズをそのままに静電容量が1,000uFに拡張された「20Kブラックコンデンサ」をはじめ、高品質パーツが使用されている。2ブロックに分割されたビッグサイズのVRMヒートシンクも備え、放熱性能にも期待が持てそうだ。
また、メモリスロットは最大8,666MHzに対応。ストレージはPCI Express 5.0に対応する「Blazing M.2」を含め合計3基のM.2スロットを搭載し、そのすべてにヒートシンクを備えている。特に「Blazing M.2」には、銅を多く含むPCBを冷却に活用する「M.2ボトムヒートシンク」とのサンドイッチ構造を採用。上部に装着されているのは、ツールレスで脱着できる「Toolless Multi-Layer M.2 Heatsink」だ。
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そしてPCI Express 5.0対応の拡張スロットには、グラフィックスカードの脱着を容易にする大型ラッチの「ライト・リリース・デザイン」を導入。さらにスロット間隔に余裕をもたせた最下段にPCI Express 4.0(x4)スロットを備え、キャプチャカードなどの拡張カードを接続できる点も見逃せない。
また、「LiveMixer」シリーズ最大の特徴でもあるUSBについては、ミドルレンジ向けモデルながら合計22ポート(リア×13/フロント×9)を搭載。5Vを+12レールから変換することで、安定した低ノイズの電源を確保できる「Ultra USB Power」仕様のポートも2基備えている。AVerMediaやelgatoといった主要メーカー製のキャプチャデバイスも動作確認済みと、ストリーマーにとって嬉しい要素が満載だ。
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左上にシリーズロゴが飾られた「B860 LiveMixer WiFi」のパッケージ。気になるUSBポート構成をはじめ、主要なトピックが分かりやすくまとめられている |
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「B860 LiveMixer WiFi」の重量は実測で1,224g。ハイエンドに比べれば控えめながら、しっかりした剛性を感じる |
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