エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.34
2010.04.16 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
前書きでは“上位モデル”として「CM690II Plus」を位置付けたが、実際はマイナーチェンジに当たるのだろうか?はたまたフルモデルチェンジになるのだろうか?
ご存じのようにPCパーツの製品サイクルは非常に短い。ハードウェアに比べればPCケースは若干ロングライフにできるカテゴリだが、そうは言ってもモデルによってはファーストロット、セカンドロット辺りで打ち止めになる場合が少なくない。それだけライバルが多くひしめく激戦カテゴリである事が言えるわけで、「CM690」のようなロングセラーは異例とも言えるだろう。またこの現象は日本市場のみならず、海外でも人気が高いと言うから本当に自作ユーザーから高い支持を得ているという事になる。
そんな「CM690」が「CM690II Plus」に生まれ変わった。 発売以来ヒットし続けている製品をモデルチェンジするのは、恐らく非常に勇気が要るはずだ。ひとつ間違えればこれまでのセールスが落ちる可能性もある。とはいえ、現行モデルユーザーからのフィードバックをうまく採り入れられている事だろう。CoolerMasterがどのような落としどころを見い出したのか、非常に興味がある。
日頃たくさんのケースに触れる機会のある筆者も実は「CM690」を1台所有しているが、2年半前のモデルとは思えない完成度は、今でも色褪せる事は無い。ただし、細かい要望を意地悪くひねり出せば3カ所ほど挙げる事はできる。ここでは敢えてその箇所は伏せておく事にして、果たして“改善されているのか?”を個人的なポイントとし、進化した「CM690II Plus」の外観からチェックしていきたい。
編集部で“只今稼働中”の「CM690」を引っ張り出し、「CM690II Plus」と並べてみる。恐らく「CM690」を所有していない人が「CM690II Plus」だけを見た場合、違いが分からないかもしれない。ただし外観上はさすが同系列デザインながら、細部を確認してゆくと、全く別物に仕上げられている事が分かる。
通常、バリエーションモデルは同一筐体を使用し、外観上もサイドパネルにアクリル窓を追加したり、ファンをLEDにしたりと、せいぜいその程度だが、「CM690II Plus」に関しては筐体そのものが全く別物で、 別のモデル名を付けてもよい程の変更が加えられている。またサイズも一回り大きくなり、奥行きで+4mm、幅で+1.5mm、高さで+29.8mmそれぞれスケールアップされた。逆に重量は9.8kgに対し9.19kgになり、僅かながら軽くなっている。サイズアップする反面、重量がダウンした理由は、恐らく通気性向上によるボトム部の改良などが影響しているのではないかと思われる。