|
|
|
エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.124
全方位迎撃可能な“オールラウンダー”ゲーミングヘッドセット
CM Storm「Sirus」を試す |
|
2012年3月3日 1:15
TEXT:GDM編集部 絵踏 一 |
|
Cooler Master(本社:台湾)は近年、これまで手がけてこなかったキーボードやヘッドセットなどのゲーミング環境を彩る周辺デバイスを、CM Stormブランドによって急速に増やしている。先日お届けした「Quick Fire Rapid」は初のゲーミングキーボードながら、Cherryスイッチを採用する打鍵感豊かな本格派モデルだった。
今回取り上げる「Sirus」もまたヘッドセットとしては同社初の製品だが、8ドライバーを装備したリアルサラウンド機能を搭載するなど、実に期待のもてる仕様になっている。
そこで「速攻撮って出し」ではCM Stormブランド今年2製品目となる5.1chゲーミングヘッドセット「Sirus」をCooler Msterより借り受け、気になるその機能と実力のほどをチェックしてみたい。 |
|ゲームにおけるヘッドセットは“戦場”でのコミュニケーションツール
さて、「Sirus」を実際に眺めてみる前に、まずゲーミングユースに要求されるヘッドセットの特性について多少触れておきたい。
マイクを搭載するヘッドセットを使う理由はもちろん他のプレイヤーとコミュニケーションをとるためだが、ただ仲間と歓談するだけならさほど大げさなデバイスは必要ない。その真価が発揮されるのは、やはりFPSやRTS、はたまたアクション性の高いMORPGなどの即応性が求められるシビアな“戦場”といえるだろう。
目まぐるしく状況が変動する忙しいゲームシーンにおいては、画面に見えるエリアだけですべてを把握するのは難しい。仲間と声をかけ合い、ダイレクトに情報を共有できるヘッドセットの機能が生きてくるのはまさにそういったシチュエーションだ。そこで必要とされるのはゲーム内音源に埋もれない明瞭なマイク音質や、敵の足音や銃声の方向を耳でしっかりと把握できるヘッドフォン機能ということになる。
そう考えると「Sirus」がウリにするリアルサラウンドシステムは、周囲の状況把握という点では理論上最適な機能に思えるが、果たしてその期待にどこまで応えてくれるのだろうか。
|
リアル5.1chサラウンド機能を有するゲーミングヘッドセット「Sirus」。両耳に計8個のスピーカードライバーを搭載する |
|
|
CM Storm「Sirus」基本スペック |
Headphones |
ヘッドホンタイプ:密閉ダイナミック型
ドライバーサイズ:30mm(フロント/リア/センター)
40mm(サブウーファー)
感度:105dB
周波数特性:10〜20,000Hz
インピーダンス:32Ω(フロント/リア/センター)
16Ω()サブウーファー)
歪み率:1%以下
イアーカップタイプ:耳覆い型
イアーパッド:取り外し可能マイクロファイバー |
Microphone |
指向性:単一指向性
周波数特性:100〜10,000Hz
インピーダンス:2.2kΩ
感度:-46dB±3dB |
Interface |
USB接続用:USBコネクタ×2(オーディオ/USBバスパワー)
3.5mmミニジャック接続用:
3.5mmミニジャック×4(フロント/リア/センター/サブウーファー)
USBコネクタ×1(USBバスパワー) |
Accessory |
タクティカルミキシングコンソール×1
USB接続用ケーブル×1
3.5mmミニジャック接続用ケーブル×1
ドライバCD-ROM×1
マニュアル×1 |
製品情報 |
http://www.coolermaster.co.jp/product.php?product_id=6720 |
発売日 |
2011年12月1日発売 |
実勢価格 |
税込13,800円前後 |
|
|リアルサラウンド機能を搭載する「CM Storm」ブランドの新星
さて、長い前置きはここまで。ここからは実際に「Sirus」を手にとり、外見や機能を簡単にチェックしていこう。
「Sirus」はいわゆる“オーバーヘッドスタイルの密閉ダイナミック型ヘッドセット”で、接続方法はUSBと3.5mmミニジャックの2系統から選択できる。ヘッドセット本体から伸びるケーブルの先端はDINコネクタになっており、それぞれUSB接続時は“タクティカルミキシングコンソール”、ミニジャック接続時は付属の変換ケーブルを介して接続する仕様だ。特にタクティカルミキシングコンソールは音量やマイク、定位調節を手元で簡単に行える便利なツールで、ゲームプレイ時には重宝するだろう。
外見は一体成型を思わせる流れるような整ったデザインが目を引く印象的なフォルムで、ミリタリーライクなガンメタリックのボディにブラックのラインが走るツートンカラーを採用。ブラックのライン上には「CM STORM」のブランドネームが刻まれ、控え目ながらも存在感を誇示している。表面にはラバーコーティングが施され、手触りは極めて秀逸。機能だけでなく外見や素材への深いこだわりは「Quick Fire Rapid」とも共通する部分で、製品に対するCooler Masterの哲学を垣間見ることができる。
|
|
攻撃的なゲーミングデバイスらしいパッケージ。パッケージサイズは実測値で約W280×D270×H110mm |
|
内部には「タクティカルミキシングコンソール」を抱くようにして「Sirus」が収まっている |
|
|
大柄なガンメタリックカラーのゲーミングヘッドセット「Sirus」。ケーブルは約130cmと手頃な長さ |
|
|
そしてエンクロージャー内には片側4個、両耳で計8個のスピーカードライバーを搭載し、リアル5.1chサラウンド環境を実現している。ドライバー部分は「Sirus」が最もウリに挙げる機能でもあり、この後で詳しく紹介することにしよう。なお、エンクロージャーを覆うイヤーパッドはメッシュタイプとレザータイプの2種類が用意されているため、好みに応じて付け替えが可能。そしてその反対側、両耳のイヤーカップ部分にはCM STORMのロゴマークが配置されており、こちらは通電時に赤く点灯する仕組み。装着中に目にすることはできないものの、「Sirus」のインパクトを引き立てるのに一役買っている。
通話用のマイク配置は左耳のイヤーカップ部分。未使用時は邪魔にならないように立てておき、通話時には回転させて口元に引き出して使用する。動作時には先端に搭載された赤色LEDが点灯して状態を知らせてくれるので便利だ。
ちなみに「Sirus」の実勢価格はおおむね13,000円台で、2万円前後が相場のリアルサラウンドヘッドセットとしては比較的安めの部類に入る。風格からは価格帯以上の印象を受けるものの、はたして性能の面ではどうだろうか。次項からはより個々の機能にフォーカスし、チェックしてみるとしよう。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|