|「SST-FT03-MINI」の内部構造
次に内部構造をチェックしてみる。先ほどはフロントパネルのみ外した状態をご覧頂いたが、「SST-FT03-MINI」はマザーボードトレイ(正面左側)のパネルを残し、その他3面は着脱ができる。通常PCケースは組み込みにサイドパネル1面のみを外し(トップパネルが外れる場合もアリ)、各構成パーツを組み込んで行く。それに比べれば3面もオープンになる事で、作業のし易さが期待できるが、そこはMini-ITX。さすがに内部容積が限られているため、ある程度の技量は要求される。とはいえ、他のMini-ITXケースに比べればサイドパネルがオープンになる事でブラインドが少なくなり、格段に組み込みはし易い。
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マザーボードトレイ側のサイドパネルを残し、全てのパネルは着脱が可能。固定方法はフロントパネル同様、ジェラコンキャッチ式で、工具は不要 |
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ケース背面。通常ここには背面I/Oパネルや電源ユニットのコネクタ口がレイアウトされるが、「SST-FT03-MINI」はそれらをトップ面に配置することで開口部はかなりスッキリとしている |
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|スロットインタイプを採用する薄型光学ドライブベイ
以前に比べ、需要が減りつつあるとは言うものの、無ければやはり困るのは光学ドライブだ。外付けドライブも手頃な価格で入手できるが、内蔵タイプの利便性に適うほどではない。Mini-ITXケースだからといって、これを排除されるとなかなか不便なもので、限られたスペースながら「SST-FT03-MINI」では、薄型光学ドライブベイ×1を標準で装備させた。
「SST-FT03」ではフロントパネル下側に用意された薄型光学ドライブベイは、同じくフロントパネルの右端にレイアウトされ、兄貴分同様にディスクローディング方式はスロットインタイプに限定される。
流通量がトレイタイプには及ばないスロットインタイプだが、最大の利点はベゼルが露出されないため、外観を損ねる事がない。“デザインPCケース”とも言える「SST-FT03」シリーズは、PCケース本来の機能性はもとより、シンプルな外観こそ市場から支持を得ている重要なポイント。多少入手性が悪くても、ここは譲れない部分というワケだ。
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薄型光学ドライブベイ×1。スロットインタイプ限定だが、DVDマルチ機能付きでも3,000円台から入手は可能。なおフロントパネルにはディスクを差し込むスリットがあるのみで、イジェクト用ボタンは使用できない。ディスクの出し入れはOSから行うことになる |
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|Mini-ITXといって諦めない、ストレージ搭載能力
Mini-ITX対応PCケースといえば、これまで横置きタイプが定番だった。省スペースPCを謳うには、スリムな横置きスタイルが主流になるのは自然な流れともいえる。しかし自ずと内部容積は狭くなり、ドライブベイ数は必要最小限に留まり、ストレージの拡張性は期待できなかった。しかし「SST-FT03-MINI」は、特徴的な筒状デザインと巧みな内部構造により、薄型光学ドライブベイの他に、3.5インチシャドウベイ×1基、2.5インチシャドウベイ×2基を備え、無理なくフル搭載できる。ATX顔負けのスペックを備えるMini-ITXマザーボードの流通量が増え、デスクトップPC並のスピードが手に入れられる反面、ストレージ格納能力が極端に悪くかったMini-ITXならではのアンバランス感は、かなり解消されている。
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ドライブベイユニットは全て取り外しが可能。組み込み易さもこのモデルの特徴。ストレージは3.5インチHDD×1基と2.5インチSSD×2基が搭載可能で、クラス最大級の能力を誇る。しかしながら、SSDの普及はMini-ITXフォームファクタにとっても、市場拡大を手助けする追い風となっているワケだ |
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