|グラフィックスカードは長さ254mmまで、エアフローは外排気
SilverStoneのPCケースを語るに忘れてならないのは「正圧設計」。同社製PCケースのほとんどはこれを採用し、もはやお馴染みのキーワードになっている。「正圧設計」について今さら説明するまでもないが、その特性を発揮させるためには、構成パーツのエアフローにも気遣いが必要だ。
「SST-FT03-MINI」も採用する「正圧設計」は、PCケース内部の圧力を上げることでホコリの侵入を防止すると共に、排気の流れを作り出す。よってグラフィックスカードに搭載されるVGAクーラーは外排気タイプが推奨されている。考え抜かれたエアフローレイアウトを最大限発揮するためには、メーカー推奨のVGAクーラー搭載モデルをチョイスしたい。
なお拡張カードの搭載制限は公称254mmまで。Mini-ITX対応PCケースとしては十分なスペースが確保されてはいるものの、製品を選ぶ事に違いはなく、事前に確認が必要だ。
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VGAクーラーのエアフローは外排気タイプ推奨。SilverStoneが採用する「正圧設計」のPCケースには、もはやお馴染みの注意書きだ |
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|「煙突効果」を作り上げるボトム140mmファンの存在
「SST-FT03-MINI」唯一の冷却ファンはボトム部に搭載されている。正圧設計を推すSilverStoneだけに、ボトム部から吸い上げた空気を上部から一気に排出させるエアフローレイアウトだが、それを作り出すのは直線的エアフローと静圧能力に長けた“徹甲弾ファン”こと140mm口径の「Air Penetrator」ファンだ。
回転数は1,500rpmで、風が渦を巻くように設計された一体型ファンガードの効果が相まって最大2mまで風を直進させる事ができる。 SilverStoneはこのファンを万能薬のように各モデルで積極的に採用しているが、その評価は国内外問わずに高い。ことPCケースデザインが筒状で、自ずと一直線のエアフローとなる「SST-FT03-MINI」では、風の通り道に熱源となる構成パーツがレイアウトされているため冷却補助の役割が大いに期待できる。
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ボトム面の多くを占有する140mm口径“徹甲弾”ファン。インペラはブルースケルトンタイプで、いかにも涼しげな印象 |
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吸気となる140mmファンには、フィルター付きカバーが装着されている。メンテナンスを考慮したワンタッチ式で、付着したホコリを手軽に除去することができる |
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徹甲弾ファンの型番を確認すると「HA1425L12SF-Z」ある。つまり市販品の「Air Penetrator SST-AP141」である事がわかった |
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“焼却炉”にも似たそのスタイルは、まさに煙突構造。4面サイドパネル下部にある凹みは、デザイン状だけでなく、スムーズな吸気を手助けする作用をも考慮されている |
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|SFX電源ユニットは「SST-ST45SF」でほぼ決め打ち
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「SST-FT03-MINI」の事実上レコメンドSFX電源「SST-ST45SF」 |
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Mini-ITXフォームファクタを採用するコンパクト設計だけに、電源ユニットはSFX規格に制限される。これも致し方ないところで、スモールPCを構築しようと思うならば、割り切るしかない。ただし選択肢はさすがに豊富とは言えず、悩ましいところではあるため、ここはおとなしく、SilverStoneが唯一ラインナップする「SST-ST45SF」をオススメしておこう。
80PLUS BRONZE認証を取得した最大出力450Wモデルで、シングル+12V出力は36Aを誇り、80mm静音ファンを内蔵する。ちなみに外形寸法は、W125×D100×H63.56mmで、「SST-FT03-MINI」電源搭載スペースの奥行き最大寸法100mm以内にキッチリ収まっている。
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マニュアルには搭載可能電源ユニットサイズの詳細が開示されている |
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