|期待してはいけないCPUクーラーの有効スペース
このPCケースで搭載できるCPUクーラーも確認しておこう。マニュアルによると、高さ制限は82mmまでとされている。このサイズだと、さすがにサイドフロー型CPUクーラーは厳しい。“煙突構造”によるボトム部からのエアフローを思えば、サイドフロー型は捨てがたいものの、高さ制限82mmと言えば最低でも80mm口径ファン以下となる。ここは該当製品を探すよりもトップフロー型CPUクーラーで行くべきだろう。トップフロー型ならIntel純正CPUクーラーだけでなく、ロープロファイルを謳う汎用製品が入手できる。ただしマザーボードのエッジより7mm以上はみ出るCPUクーラーは搭載できない点は注意が必要だ。省スペースPCならではの悩みはある程度つきまとう。
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Mini-ITXだけにCPUクーラーの高さ制限は82mmまで。またマザーボードのエッジからは7mmまではみ出しOKとされている |
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|オールインワン水冷も推奨する「SST-FT03-MINI」
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ボトム部の140mmファン搭載スペースは120mmファン兼用。オールインワン水冷のファンが使用できる |
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意外に思われるかもしれないが、SilverStoneでは「SST-FT03-MINI」におけるCPU冷却には、空冷よりも水冷を推奨している。これはマニュアルにもしっかりと明記されており、その理由も解説されていた。
Mini-ITXマザーボードの多くは、現在Intel策定のレイアウトに準拠し、設計されているため、CPUソケットはPCI-Expressのすぐ傍に位置する。よって搭載できるCPUクーラーサイズは前述どおり小型サイズの製品に制限されることになる。
SilverStoneによれば、大型空冷CPUクーラーの冷却能力は、オールインワンタイプの水冷クーラーよりもまだ有利であると明言している。しかしながら、「SST-FT03-MINI」の高さ制限82mmは如何ともし難く、このサイズに収まる水冷クーラーの小型ポンプ一体型ウォーターブロックは最良の代替案となるワケだ。さらにMini-ITXケースながら、ボトム部には120mmファンが搭載できるスペースとネジ穴が予め用意されている事から、設計段階でオールインワン水冷クーラーの導入は想定されていたのかもしれない。
|2スロット占有VGAにも対応する拡張スロット
スリットの入った通気孔仕様の拡張スロットは全2段。Mini-ITXフォームファクタならばもちろん不満はないだろう。主な用途は2スロット占有グラフィックスカードの固定が想定される。つまりミドルクラス以上のGPUを搭載するグラフィックスカードを暗に推奨しているとも解釈できるわけで、パワフルなスモールPC構築には最適なモデルというメッセージがこの部分に込められているワケだ。
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拡張スロットの固定方法は、ネジ留め式。ブラケットを固定するネジの他、シャーシにネジ留めされたカバーを備えるタイプを採用する |
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|トップI/Oから伸びる各種ケーブル類
通常ならフロントI/Oと言いたい所だが、このモデルは電源スイッチ類を含め、いわゆるフロントアクセスポートはトップ面にレイアウトされている。ここではI/O部から伸びるケーブル類をチェックしておこう。
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オーディオケーブルはHD Audioオンリー。ケーブル本体はスリーブタイプだ |
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M/Bヘッダピン接続用各種ケーブル類。ピンが隣接しない場合があるPOWER LEDは+−が割れている |
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USB3.0接続用コネクタケーブル。USB3.0を持たないM/Bでの使用にも対応すべく、USB2.0変換アダプタが付属されている |
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ちょっと長すぎるUSB3.0ケーブルとオーディオケーブル
トップI/O部から伸びるケーブルについて。画像でも分かるように、内部容積が限られたMini-ITXケースとしては、ケーブルが少々長く感じた。“帯に短したすきに長し”では困るが、実測値でUSB3.0が540mm、オーディオケーブルが500mmにもおよび、シャーシの角をキレイに這わせてもまだ余る。決して広くないケース内部だけに、エアフローの妨げになるものはできる限り排除すべきで、その観点からもう少し短くてもいいのではないだろうか。 |
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