|実際に組み込みを行ってみよう
念を押すと、「SST-FT03-MINI」はMini-ITXフォームファクタ対応の小型PCケース。特徴的な縦長スタイルと内部設計から、これまで見慣れたデスクトップタイプのMini-ITXケースに比べ、格段に内部容積は広くとられている。とは言え、一般的なミドルタワーPCケースのような空間はなく、組み込み手順はマニュアル通り進めて行く方が無難。そこでここからは実際に構成パーツを用意し、手順通りに組み込みを行っていくことにしよう。
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マニュアルの手順通りに組み込みを行ってみよう。まずは3枚のサイドパネルを外し、マザーボードトレイ面を下向きで作業を進めていく |
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■組み込みに邪魔になるドライブベイを外しておく
まずはドライブを固定するマウンタ類を取り外すことから作業はスタートする。PC構成パーツの中で最も大きなマザーボードを搭載させるには、極力邪魔になる部品は予め避けておこうという目論見だ。着脱はいずれも自作で使用する一般的なサイズのプラスドライバーだけで作業できる。またネジはマウンタひとつに対し、2本で固定されている。
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表裏で薄型光学ドライブと2.5インチシャドウベイ各1段を備えるマウンタ。なおこの他に、2.5インチシャドウベイが1つ装備されているが、マザーボード固定で邪魔にならないため、事前に着脱する事は推奨されていない |
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■マザーボードを固定する
マウンタ類を外した後はマザーボードを固定する。「SST-FT03-MINI」の場合、すでにスタンドオフはマザーボードトレイにあり、付属のミリネジを使用して4箇所をネジ留めする。なおCPUクーラーについては、プッシュピンタイプのIntel純正クーラーを使用する場合、後付けでも問題はないだろう。
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今回用意したマザーボードは、ASRock「Z77E-ITX」。ゴールドコンデンサを採用するIntel Z77チップ搭載のMini-ITXモデルで、WiFiモジュールも標準で装備される豪華仕様。Mini-ITXだからといって非力では妥協できない人にはベストチョイスとなるだろう |
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事前に取り外せるだけのマウンタ類を排除したことで、作業は至って簡単。腕に自信の無い人でも、一般的ミドルタワーPCケースでの自作とさほど変わりなく組み込む事ができるはずだ |
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通気孔が配置されたI/Oポート面がPCケースの“天板”。煙突構造を採用するため、ボトムファン(画像右側)からのエアフローが通気孔側に向かって一気に熱を排出することになる |
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テスト機材 ASRock「Z77E-ITX」がなかなかイイ
「SST-FT03-MINI」レビュー用に、SilverStoneの国内正規代理店であるマスタードシード株式会社からマザーボードを借り受けた。編集部に到着したのはASRock「Z77E-ITX」。これがなかなかイイ。
Intel Z77 Expressチップを搭載する事で、構築できるPCのパフォーマンスは言うに及ばずだが、Mini-ITX用途を想定したWiFiモジュール(802.11b/g/n対応)と専用アンテナが標準装備され、ASRockならではの独自機能もATX並にズラリと備える。執筆時点での実勢価格は15,000円台で、かなりオススメできる1枚だ。 |
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■大型ヒートスプレッダ付きも心配なしのメモリ有効スペース
省スペースPCケースの場合、内部構造が複雑になり、構成パーツの物理的干渉には事前に注意を払う必要がある。ちなみに「SST-FT03-MINI」ではCPUクーラーと拡張カードの有効スペースについてはマニュアルに明記されているものの、メモリに関する記述は見当たらない。そこで実際にどれほどのスペースがあるのかチェックしてみたところ、実測値で約90mmほどの余裕があった。
メモリスロットの真上には3.5インチシャドウベイユニットがレイアウトされているものの、これだけスペースがあれば大型ヒートスプレッダ付きメモリモジュールも難なく装着できるだろう。「SST-FT03-MINI」の特異な内部設計による恩恵は、こんな部分でも垣間見ることができる。
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メモリスロット有効スペースは実測値で約90mm強。Mini-ITX対応PCケースとしては異例のロングスペースは、このモデルならでは |
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■電源ユニットを搭載してみる
マザーボードの次に、電源ユニットを搭載させる。SFX規格に限定されているため、紹介済みのレコメンドモデル「SST-ST45SF」を用意し、早速取り付けてみることにしよう。
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前述通り、搭載できる電源ユニットはSFX規格のみ。実際にシャーシに固定すると、電源ユニット背面にはかなりの余裕があるように思うのだが、奥行き制限は100mmとされている |
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電源ユニット固定はミリネジ4本を使用。シャーシ側に電源ユニットを支える“折り返し”が無いため、ネジ固定するまではしっかりと電源ユニット本体を持ち、誤ってマザーボードに落とさないように注意。なお電源ファンはPCケース内部方向で搭載することになる |
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