|「TPC 812」ディテールチェック
バーティカルベイパーチャンバーに目を奪われがちだが、ここでは「TPC 812」の全体像を隈無くチェックしていく。
|
メーカーサイトに掲載されている分解図。外観からは想像できない複雑な構造がよく分かる |
|
|
「TPC 812」は最大の特徴であるバーティカルベイパーチャンバー2枚の他、熱移動を助ける6mm径ヒートパイプ6本で構成されたヒートシンク部と、120mm口径冷却ファンで構成されている。
CPUコア(ヒートスプレッダ)から熱を吸い上げる受熱ベースは銅製で、ダイレクトタッチ式は採用されていない。
|
冷却ファンは近頃のCPUクーラーとしてはややおとなしく、120mm口径を採用 |
|
|
|
ヒートシンクの重量は826gで、冷却ファン合計で総重量約978gにもおよぶ |
|
|
|ヒートシンク集中チェック
次に冷却ファンを取り外し、ヒートシンク部分を集中的にチェックしてみよう。アルミニウム製放熱フィンは44枚で構成され、放熱効率を向上させる独自デザインとフィンピッチも「TPC 812」の特徴だ。
|
アルミニウム製放熱フィンは44枚で構成。トップカバー中央にはロゴマークが映える。またバーティカルベイパーチャンバーとヒートパイプ末端にあたる部分には、プラスチック製鏡面キャップが装着されている |
|
|
|
放熱フィンをじっくり観察すると、両端はフラットながら互い違いに微妙な段差が付けられていることが分かる。このフィンデザインにより、冷却ファンからのエアフローをストレス無く排出し、熱離れのスピードを上げているという |
|
|
|ひねりを加えたインペラデザインのワイドレンジ冷却ファン
「TPC 812」の冷却能力を司る重要な構成部品となる120mm口径PWM対応冷却ファンに目を向けてみよう。
25mm厚となる標準搭載ファンの回転数は600〜2,400rpm±10%のワイドレンジ仕様で、低速から中高速までの間で自動可変する。気になる騒音値は19〜40dBAで、風量は19.17〜86.15CFM±10%。静圧能力は0.31〜4.16mmH2O±10%で、軸受け構造は動作寿命40,000時間のスリーブベアリング。インペラデザインは独特なひねりが加えられ、低速回転時から静圧能力を高める工夫が見て取れる。
また付属の「Silent mode adapter」を接続する事で、1,600rpmの固定動作にも対応。静音動作時のスペックは、風量59.54CFM、静圧1.99mmH2Oにそれぞれ抑えられている。
|
|
冷却ファンの型番は「A12025-24RB-4CP-F1」で、DC12V 0.37A。ひねりが加えられたインベラの1枚には、Cooler Masterのロゴが刻まれている |
|
|
なお、ヒートシンクへのマウント方法は、専用のプラスチック製ファンブラケットにネジ留めされ、ユニットスタイルではめ込むスタイル。マザーボードへの搭載手順は後ほど解説するが、クーラー本体を固定する際に一度冷却ファンを外す必要があるため、ワンタッチ着脱式が採用されている。 |