|「TPC 812」テストセッション
「TPC 812」をすみずみチェックしたところで、冷却能力をテストしていこう。なんと言ってもこれまでのサイドフロー型CPUクーラーとはひと味違う“バーティカルベイパーチャンバー”を採用する期待のモデルだけに、どれほどの能力を秘めているのだろうか。
なお「TPC 812」は、PWMに加え、ケーブルタイプのアダプタを接続する事で固定動作にも対応するため、今回は2パターンで計測を行っている。
エルミタ的「一点突破」CPUクーラー編レギュレーション
CPUクーラー計測環境および計測方法
1.マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する
(ケースファンなどケース内エアフローの影響を受けない状態で、できる限りCPUクーラー本来の性能を見る
2.マザーボードなどの各種設定はデフォルトのまま行う
3.CPUに100%負荷をかけ、計5回のテストを実行
4.騒音値は、ファンから30cmの距離で計測
5.高負荷状態はストレステストツール「OCCT 4.2.0」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/30分)の数値を計測)
7.CPU温度計測には「OCCT 4.2.0」を使用(全コア平均値)
6.ファン回転数は「SpeedFan 4.46」を使用 |
参考モデル【Intel Core i7-3770K同梱純正CPUクーラー】
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アイドル時 |
高負荷時 |
2012年6月27日計測時
(24.3℃) |
37.0℃(33.9dBA) |
86℃(40.5dBA) |
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|「TPC 812」デフォルト状態(PWM)の温度/騒音値
まずは通常のPWMファンモードで、CPUコア温度を計測してみよう。テスト環境の室内温度は25.9℃で、騒音値は29.9dBAだった。またコア温度結果は、4コアの平均値としている。
CPUコア温度テスト(PWM)
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単位℃/室内温度25.9℃ |
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騒音値テスト(PWM)
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単位dBA/室内騒音値29.9dBA |
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計測日と室内温度に違いはあるものの、リテールクーラーの高負荷時86℃に比べ、「TPC 812」では−28℃を計測。ちなみにアイドル時でさえリテールクーラーの37℃に対し30.2℃で−6.8℃の差が付いている。CPUコアとヒートスプレッダの関係で物議を醸すIvy Bridgeだが、この結果は極めて優秀といえるだろう。
一方で騒音値を見ると、アイドル時33.5dBA、高負荷時42.2dBAとなり、静音性をアピールするには十分の数字だ。なお高負荷時の冷却ファン回転数は1,844rpm。「TPC 812」の最大回転数は2,400rpm±10%だから、まだ余力がある計算になる。
|「TPC 812」静音アダプタ使用時の温度/騒音値
次に行ったのは、同梱されている「Silent mode adapter」使用時のテスト。このアダプタを冷却ファン電源ケーブルに接続する事で、回転数を最大1,600rpmに抑える事ができる。
CPUコア温度テスト(Silent mode adapter使用時/1,600rpm)
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単位℃/室内温度25.9℃ |
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騒音値テスト(Silent mode adapter使用時/1,600rpm)
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単位dBA/室内騒音値29.9dBA |
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テスト結果は、アイドル時32.1℃、高負荷時60.5℃。回転数が抑えられているだけあって、“順当に”数値は上がっているものの、高負荷時でデフォルト比+2.5℃に収まっている。また騒音値は高負荷時で37.5dBAとなり、−4.8dBAの静音化に成功。今回テストで使用したCore i7-3770Kなら、“静かに冷える”「Silent mode adapter」を積極的に活用してもよさそうだ。 |