|CORSAIR HYDROシリーズ3モデル徹底比較
今回用意した水冷ユニット3種類の仕様をスペック表で確認したところで、ここからは各部位の詳細を解説していこう。
オールインワン水冷は、ポンプ一体型ウォーターブロック、ラジエーター、冷却ファン、ウォーターチューブで構成されている。なおクーラント液は予め封入されている事から、組み込み至極簡単。水冷だからといって、身構える必要は一切ない。
■ウォーターブロック編
3モデル共に、銅製受熱ベースプレートを採用。皿もみされた8個のネジ穴により、ヘッド部に固定されている。ちなみに興味本位でこのネジを緩めると、じわじわと冷却水が漏れてくることになる。冷却水が補充ができないメンテナンスフリー水冷ユニットだけに、再起不能がイヤならば、眺めるだけに留めておこう。
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いずれもサーマルグリスは予め塗布済み。ただし編集部所有物につき「CWCH60」以外は前回のテストであしからず使用済み |
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■ウォーターポンプ編
ウォーターブロック一体となるウォーターポンプは、冷却液を循環させるいわば心臓部となる重要な構成部品だ。水漏れと共に、ポンプの信頼性は水冷導入を躊躇させる大きな要因だが、近頃のオールインワン水冷ユニットは、出始めの頃の製品とは比べものにならないほど、完成度は向上している。
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「CWCH100」で採用されるポンプ内蔵小型ウォーターブロック。側面上部には4pinコネクタを4口備え、ラジエターに搭載する120mmファン×2基分に加え、さらに2基分増設が可能。なおサイズは65×65×40mm |
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兄貴分同様、「CWCH80」も3段階ファン回転数制御に対応するワンプッシュボタンを装備。サイズは65×65×40mmで扱い易い |
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3モデル中、最も薄型の「CWCH60」。サイズは70×70×29mmとなり、CPUクーラーの高さ制限がある小型PCケースにも好適 |
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■ウォーターチューブ編
CORSAIRブランドのオールインワン水冷ユニットの信頼性を下支えするもうひとつの立役者が、低透過率カスタムプラスチックチューブの存在。両端の確実な接続部に加え、クーラーント液の蒸発が限りなくゼロに近い素材を使用する事で、経年使用によるトラブルが軽減された。
チューブ自体は硬質で反発力が強い事から、一部で扱いにくいという声もあるが、蛇腹状にすることでフレキシブルかつ剛性が高く、水漏れの心配はほぼ無しと言えるワケだ。なおチューブの長さは「CWCH100」のみ320mm、「CWCH60/80」は300mmとなっている。
■ラジエーター編
水冷ユニットで冷却能力を大きく左右するアルミニウム製ラジエターも順にチェックしておこう。いかにも冷えそうな「CWCH100」のラジエターは、外形寸法27×120×275mmで、120mm口径ファンを2基並べて搭載する。また設置場所に余裕があれば、冷却ファンをさらに2基増設するなどのカスタマイズも可能。本格的水冷ユニット導入は少々ハードルが高いという人にも人気が高い。
また「CWCH80」と「CWCH60」は、いずれも120mmファンタイプのラジエターながら、前者は38×120×152mm、後者は25×120×150mmで厚みに13mmの違いがある。つまり「CWCH80」は、120mmファンデュアル構成によるエアフロー強化だけでなく、ラジエター容量も一回り大型サイズを採用する事で差別化が図られている。
■冷却ファン編
ラジエーターに搭載する冷却ファンは、いずれも25mm厚の120mm口径。2個で運用する「CWCH100」「CWCH80」で採用されているのは「CF12525SH12A」で、コネクタ形状は3pin仕様。共にポンプ上面に用意されたプッシュボタンにより、回転数を1,300/2,000/2,600rpmの3段階に調整できる。
シングルタイプ「CWCH60」はPWM仕様の「CF12525M12AP」で、コネクタ形状は4pin。回転数は1,700rpmまで状況に応じて可変する。
いずれも羽枚数は7枚で、極めてオーソドックスなインペラデザインが採用されている。
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