|冷却能力テストにみる、CORSAIR「CWCH60/80/100」
スペックと外観デザインをチェックところで、肝心要の冷却能力を比較する。“作業用メインPC”で活躍してもらうには、それなりの冷却能力と、ある程度の静音性は確保しておきたい。
普通に考えれば、デュアルファン仕様の「CWCH100」が“首差”で抜けだし、「CWCH80」「CWCH60」というラインナップ型番通りに着順が決まることは想像できる。しかしここで考慮しなければならないのは、「CWCH80」がデュアルファン仕様の直列レイアウトである事から、静音性との両立を重視するとやや不利か。シングルファン仕様「CWCH60」が“連にからむ”可能性に注目しつつ、出走ならぬ比較テストをはじめよう。
なお僭越ながら冒頭でも触れたように、今回は“作業用メインPC”の冷却強化だが、そうそう電源を落としておくワケにはいかない。そこで選定には別途機材を用意してテストを行っている。CORSAIRの水冷ユニットだけに、出来る限りCORSAIRブランドのパーツを集めてみたが、主要構成パーツ中、水冷ユニットを抜かしても4アイテムになる。CORSAIRの多彩ぶりがお分かり頂けるだろう。
|意外にイイ感じのミドルタワーPCケース「550D」
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市場想定売価15,800円のミドルタワー「550D」 |
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今回、水冷ユニットテスト用にチョイスしたミドルタワー「550D」(これまたCORSAIR製)は静音志向の“セミ窒息系”PCケース。両サイドとフロントパネル、トップカバーそれぞれに遮音性に優れた吸音シートが貼り付けられている。標準搭載ファンはフロント120mm×2基、リア120mm×1基で、ワンタッチ着脱式パネルを外せばトップ部に140or120mmファン×2基、サイドパネル部に200or140or120mmファン×2基(200mmのみ1基)が増設できる。ここでは脇役だが、拡張性も申し分なく、なかなかイイ雰囲気を持っている。機会があれば是非いじり倒してみたいモデルだ。 |
【テストレギュレーション】
・室内温度24.3℃(湿度67%)/室内騒音値29.7dBA環境
・30分の高負荷状態でCPUコア温度を計測
・CPU温度は各コア温度の平均値
【ストレスツール】 OCCT 4.2.0
【CPUコア温度/ファン回転数モニタ】 HWMonitor PRO |
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|まずは比較用にIntel純正CPUクーラー計測
CORSAIR水冷3モデルのテストに入る前に、Intel純正CPUクーラーの数値を把握しておこう。
今回テストに用いるIntel Core i7-3770K(Ivy Bridge)同梱のCPUクーラーは、Sandy Bridgeに同梱されているモデルとほぼ変わらない。ただし、Ivy Bridgeのコアとヒートスプレッダに関するやや“不名誉なトピック”はご存じの通り。ことCPUコア温度に関していえば、前世代からの製造プロセス微細化による恩恵は期待外れで、純正CPUクーラーをそのまま使い続ける事は正直お勧めできない。
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単位:℃/室内温度:24.3℃ |
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アイドル時37℃は不問ながら、高負荷時86℃は定格3.50GHz(TB時3.9GHz)での平均値。4コア中最大で89℃を計測しており、夏真っ盛りでの常用には躊躇してしまう体力だ。本稿の主役はCORSAIR水冷ユニットだけに、純正CPUクーラーについてはこの辺りで許しておこう。 なお動作音については、室内騒音値29.7dBAに対し、アイドル時33.9dBA、高負荷時40.5dBAだった。
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単位:dBA/室内騒音値:29.7dBA |
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