|薄型ウォーターブロックが特徴的な「CWCH60」
今回用意したモデルの中で最も型番が若く、価格も手頃な「CWCH60」。兄貴分とは違い、ファン回転数制御機能が省略されている事もあって、ポンプ一体型ウォーターブロックの薄さが印象的だ。一方で120mmファン1基で冷却させるラジエターは不釣り合いに大型設計。冷却能力にも期待が持てる。
なお冷却ファンが1基であること、さらにファンコントロール機能も無いため、オールインワン水冷ユニットとしては非常にオーソドックスな搭載手順で設置ができる。換装目的で導入するユーザーにはありがたい。
CPUコア温度計測
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単位:℃/室内温度:24.3℃ |
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高負荷時60.2℃(平均)は、純正CPUクーラー比で25.8℃も冷えている。ラインナップ中、エントリークラスの位置付けながら、高い冷却パフォーマンスはさすがに水冷クーラーと言ったところ。価格も中堅クラスの空冷CPUクーラー同等となれば、換装ユースの期待には十分応えることができるだろう。
ファン回転数計測
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単位:rpm/室内温度:24.3℃ |
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冷却能力の高さとファン回転数の関係は無視できない。ヒートシンクの能力がやや劣っても、強力なエアフローでそれをカバーする“ごまかし”だけはいただけない。水冷ユニットの場合、冷却ファンの役目は放熱フィンではなく、ラジエターになるワケだが、同じ事が言えるだろう。
「CWCH60」は公称値で最大1,700rpmのPWM可変に対応。最大エアフローは74.4CFMで、120mm口径ファンとしては大きな風量を生み出す事ができる。
さてテスト時の回転数を見ると、アイドル時で1,167rpm、高負荷時で1,821rpmとなり、唯一公開されている最大回転数の±10%に収まっている。
騒音値計測
水冷ユニットである事から、空冷よりも静かに動作して欲しいという思いはあるだろう。だが、いずれも冷却ファンの手助け無しにはCPUを冷やすことはできない。さらに水冷ではポンプと冷却液が流れる音が加わることになり、ある意味空冷よりも不利という側面がある。
それを念頭にスコアを見ると、高負荷時は純正CPUクーラーが40.5dBAに対し、37.2dBAでマイナス3.3dBAとなった。正直、実際に耳で聞く音の差はあまり感じられず、どちらも十分に静音タイプと言って差し支えはないだろう。
|CPUクーラーメンテナンスホールはやっぱり便利
CORSAIR水冷ユニット3モデル一気テストで非常に役立ったのが、マザーボードトレイにあるCPUクーラーメンテナンスホールの存在。搭載方法が共通である事から、バックプレートとスタンドオフ(ネジ)はそのままの状態で流用できたワケだが、純正CPUクーラーからの換装時には、その利便性を発揮してくれた。また新規組み込み時など、ポンプ一体型ウォーターブロックはそれなりに重量があるため、マザーボードをトレイに固定してから搭載する方が安全かもしれない。 |
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