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 Home > エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.22 Intel LGA2011純正クーラー検証
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高負荷時下でのポイント別ヒートシンク温度テスト

 次にヒートシンクのポイント別温度をチェックしてみることにしよう。今回は都合4つのポイントで、いずれもヒートシンクの側面部を非接触型温度計で計測している。

temp

 ■ポイント別温度計測結果(アイドル時)
温度

 ■ポイント別温度計測結果(高負荷時)
温度

 最も高い数値を示したのは[A]で、アイドル時28.9℃、高負荷時42.6℃となり、両者には13.7℃もの変動があった。逆に最も低いポイントは[C]のアイドル時24.2℃、高負荷時28.4℃で、プラス4.2℃の小幅な温度上昇しかみられない。
 「RTS2011AC」は円形(正確には楕円だが)デザインであることから、全体に満遍なく熱が伝わるはずだが、アイドル時と高負荷時で4.2℃しか変わらない[C]は、コア温度がさほど上昇しない箇所に位置すると考えられる。



搭載ファン回転数テスト

 次にPWM制御にて可変する、搭載ファンの回転数を計測してみた。回転数モニタには「SpeedFan 4.45」を使用している。
 その結果、アイドル時で最小1744rpm、高負荷時で最大2860rpmとなり、回転数は1116rpm(約64%)上昇している。公称最大回転数は3000rpmだが、これは±10%と考えれば妥当な数値。一方の最小回転数は公称1000rpmだが、コールドスタート直後でも、1500rpmを下回る事は一度も無かった。この手の数値は、計測ツールによって差違が出てしまうものだが、パルスを拾う回転数の値は比較的ばらつきがでにくい。試しに「HWMonitor Pro 1.17」でもモニタを試みたが、大きな違いは出なかった。

回転計



騒音値テスト

 テストセッションの最後に動作音(騒音値)をデジタル騒音計を用い、計測してみる。
 計測はCPUクーラー本体から30cmの位置とし(I/Oスロット側)、都合5回計測した平均値を下図に示している。

騒音値

 搭載されているファンは、低回転でやや“かさつき”を感じ、さらに高回転ではなかなか勇ましい風切り音が発生する。今回のテストでは、最大回転数が2860rpmと、3,000rpmを僅かに切る数値となったが、それでも常用に耐えがたい騒音値というほどではない。ヒートパイプなどを使用せず、さらにファン口径も近頃のCPUクーラーに比べて小さい100mmという点を考慮すれば、及第点レベルと言って差し支えないだろう。



冷却性能は“Low Cost Air Cooling”。過度の期待は禁物

RTS2011AC

 手元にあるIntel純正CPUクーラー「RTS2011AC」の資料には、「Low Cost Air Cooling (RTS2011AC)」と記されている。売価2,000円前後は、確かに安価な製品と言え、「ひとまず買っておこう」という心理は理解できる。
 肝心な冷却性能については、正直期待はずれの感は否めない。室内温度が19.6℃環境下で高負荷時70℃辺りを“キープ”。ファンの回転数もほぼスペックの最大値である2860rpm近辺で落ち着いてしまう事を考えると、冷却性能の限界点は決して高くない。とは言え、100%高負荷状態がずっと続くような使い方は希である事から、無茶をしない常用使用においては無難に仕事をこなすタイプと言えるだろう。ただし、夏場の空調がない室内での使用については、少々不安もある。動作環境に応じ、コア温度の変化には気を配る事をオススメしたい。

【静音性】 3.5ポイント

 数値だけを見ると37.6dBA〜48.3dBAと、特筆すべき点は無い。アイドル時についてはPCケースに押し込むことで静音状態で動作してくれるものの、最大回転まで上昇すると、たちまち性格は変貌する。とは言うものの、音に関する感じ方の違いは個々にあるため、平均的な3ポイントに加え、アイドル時の動作音分の0.5ポイントを足して3.5ポイントとした。


【冷却性能】 3.0ポイント

 冷却性能は平均的な3.0が妥当。常時100%負荷状態で使用する事はまずないため、70℃台に乗ったところで目くじらを立てる事はしないが、“精神衛生上”決して褒められたものではない。純正CPUクーラーを考慮した気遣いは不要にて、“可も無く不可も無く”といったところ。


【取り付け易さ】 5.0ポイント

 これは満点の5.0ポイント。これまでのプッシュピン(ファスナー)タイプから、マザーボード側に装着済みのバックプレートを使ったネジ留め式に変更されたが、ストレスを感じることなく搭載できる。ただしバネネジのテンションが強いため、マザーボードは必ず机の上などに置き、ドライバーと垂直状態で締め付ける必要がある。


【コストパフォーマンス】 4.0ポイント

 これまでバンドルされていたものを、単体で購入しなければならないという思いは捨てる必要があるものの、売価2,000円前後、最安値で1,600円台もある「RTS2011AC」は安い。しかし性能と価格のバランスが重視されるコストパフォーマンスでは、4.0ポイントが妥当だろう。冷却性能がもう少し高ければと思うが、この価格に過度な期待はそもそも間違い。純正CPUクーラーらしい、無難なモデルと考えよう。

Intel「RTS2011AC」総合評価
結果
結果


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intel
RTS2011AC
素材
アルミニウム/銅
ヒートシンクサイズ
直径95mm(実測値)
重量
全体487g/ヒートシンク420g(実測値)
ファン回転数

1000〜3000rpm(公称値)
ファン寸法
104mm(公称値)
サポートTDP
130W(公称値)
発売日
2011年11月14日
実勢価格
税込1,980円程度
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