2012年に入り初めての「一点突破」CPUクーラー編は、韓国のPCパーツメーカーZALMAN TECHが市場に投入した「CNPS11X Performa」を徹底検証したい。
意外にもコーナー初登場となるZALMANの製品とあって、気合い十分。その特徴的で最大のウリである“V字型のデュアルヒートシンク”の実力はいかに。早速本編に入ることにしよう。 |
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「CNPS11X Performa」の外装パッケージ。サイズは実測値で260×190×110mm。黒基調のBOXセンター部には「X」のアルファベットがデザインされている。なおCPUクーラー本体はブリスターパッケージに収められていた |
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|意外にも「一点突破」初登場となるZALMANブランド
これまで「エルミタ的一点突破」CPUクーラー編は22回お届けしているが、意外にもZALMAN TECHは初登場となる。個人的にはSocket 370時代の扇形ヒートシンク「CNPS3100」ユーザーであったことから、たいへん馴染みの深いメーカーという認識はあるものの、完全に機を逸してしまった感がある。以後反省しつつ、国内市場でも注目度の高いZALMANだけに、これからは積極的に取り上げていきたい。
さて、今回登場の主役である「CNPS11X Performa」は、2011年12月にリリースされた「CNPS11X」シリーズの最新モデル。同シリーズ上位には「CNPS11X Extreme」があり、こちらは2011年4月に国内市場で販売が開始されている。
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今回テストする「CNPS11X Performa」(左)と既存の上位モデル「CNPS11X Extreme」いずれもV字型デュアルヒートシンクが採用されているが、ヒートパイプ本数は「Performa」が4本、「Extreme」が5本と差別化が図られている |
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いずれも「CNPS11X」シリーズ共通の特徴である“V字型デュアルヒートシンク”を採用するサイドフロー型CPUクーラーで、「富士山型」の放熱フィンデザインこそが最大のウリとなっている。
両者の違いは、上位の「CNPS11X Extreme」がヒートパイプ5本、「CNPS11X Performa」が4本で構成され、さらにメッキ処理の有無による差別化が図られている。なお市場想定売価については、前者が8,000円台後半から9,500円台中盤、後者が5,000円前後となり、モデル名にある“Performa”は冷却パフォーマンスとコストパフォーマンスのいずれをも連想する事ができる。
スペック表を見ると、外形寸法に違いは無いものの、放熱面積に1,600cm2の差が確認できる。これは放熱フィン枚数の違いであり、「CNPS11X Performa」はややダウンスペック。さらに搭載ファンではLEDと、回転数を抑える抵抗ケーブル「RC24P」がいずれも省略されている。両者間にある最大5,000円弱の価格差はこの辺りにあるワケだ。
|前作から冷却方法を根本的に変更した「CNPS11X Performa」
このセッション最後は「CNPS11X」シリーズに共通する“V字型デュアルヒートシンク”について軽く触れておきたい。
実はこのモデルには前身ともいえる「CNPS10X Performa」という製品が2010年2月にリリースされている。「CNPS10X Performa」のヒートシンクは一般的な長方形タイプの放熱フィンデザインを採用し、5本のヒートパイプで構成された、オーソドックスなサイドフロー型CPUクーラーだ。その直系となる新型「CNPS11X」シリーズは、大胆にも放熱フィンをV字型にデザインし、さらに内部もV字にえぐり取られている。
ちなみに「CNPS10X Performa」の放熱面積が7,900cm2に対し、「CNPS11X Performa」は6,000cm2になり、重量も748gに対し450gとなった。あくまで理論上だが、CPUクーラーは放熱面積が広ければCPUコアからの熱を“吸い取る”能力が高くなり、自ずと冷却能力がアップする。これを敢えてスリム化させたのは、受熱(拡散)能力に頼らず、エアフロー効率を高めるフィンデザインから、熱離れの速さを選択した結果だ。冷却方法のスタイルを大転換させたモデル、それが「CNPS11X Performa」と言える。
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「CNPS11X」シリーズ、2モデルのエアフローの違い |
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