エルミタ的速攻撮って出しレビュー　Vol.74　Androidポータブルメディアプレーヤーというジャンルはアリか？「COWON D3 Plenue」を試す

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｜無線LANで接続して、WEBブラウジングを楽しむ

　ここまでポータブルメディアプレーヤーとしての機能や性能をみてきたが、ここからは「COWON D3」が標準でサポートするWiFi機能を使った無線LAN接続によるWEBブラウジングを試していきたいと思う。

　昨今のモバイルWi-Fiルーターの種類は多岐に渡り、テザリングのできる携帯端末も増えてきている事から、「COWON D3」を使用してブラウジングをする機会があるかもしれない。とはいえ今回はモバイルルーターを用意する時間がなかったので、まずは自宅の無線LANに接続してみることに。ちなみに同製品はBluetooth 2.1 + EDRにも準拠しているため、イヤホンのワイヤレス化も容易に可能となる。
　なお「COWON D3」が採用するAndroidOSのバージョンは2.1のため、Flash対応のページは閲覧できない。これについては現時点「バージョン2.2へのアップデート予定はない」という。

モバイル版のサイトにアクセスした様子。当たり前だが、非常に見やすい

こちらはPC版のページへアクセスしたところ。細かい文字も十分に判別することができる

エルミタージュ秋葉原のトップページへもアクセスしてみる。ご覧の通り問題なく閲覧可能だ

　ここでも高画質な有機ELディスプレイが活躍した。通常のモニタに表示されることを前提とした情報量を、横480ピクセルの解像度に圧縮しても、細かい文字が読めるぐらいにうまく表示されている。

重力センサー（G-Sensor）を有効にしておけば、横向きでの閲覧も可能だ

　「COWON D3」は、SIMカードスロットを持たない端末扱いとなるためか、Googleのオフィシャルページ「Android Market」の利用には対応していない。その代わりと言っては何だが、MicroSDカードのrootフォルダに「APK」というディレクトリを作成するか、内部ストレージのディレクトリにある同名のフォルダにAndroidアプリケーションパッケージ（拡張子.apk）のファイルを保存しておくと、次回起動時にアプリケーションを手動でインストールすることが可能となる。いずれにせよ対応アプリケーションの多くが「Android Market」を介したインストールの方法をとっているので、このあたりは少々残念。「Android Market」以外での対応アプリを利用するか、自作のアプリ等を個人的に使うといった楽しみ方をオススメする。

｜その他の機能についてまとめてご紹介

　最後にFMラジオ機能など、購入後すぐ利用可能な標準で用意されているアプリケーションがいくつかあるので、紹介しておこう。

ズラリと並ぶ基本メニューの数々

配置する各ウィジェット（ガジェット）も簡単に変更することができる

個人的には意外に重宝しているFMラジオの機能。イヤホンのワイヤーがアンテナの役割を果たす

本体下部のマイクからMP3形式で録音できるレコーダー機能「録音」。録音データーは本体に保存されるので、後からPCで吸い出してボイスメモ代わりに使える

静電式のタッチスクリーンを利用した「ペイント」。画面いっぱいに書き込んだペイントデーターは、本体へPNG形式で圧縮され画像データとして保存されるので、壁紙に利用したり画像メモとして利用することができる

メールアカウントの登録画面。「COWON D3」では、WiFi通信が可能な場所では、アカウント等の設定をすることで、電子メールも利用できる。

こちらはタスクマネージャー画面

カレンダー機能

使用頻度の高さから（？）デフォルトでTwitterアイコンも用意されていた

電卓機能もある

　この他にもWindows標準のtxt形式ファイルを参照できる簡易ビューワー「Documents」、オートスクロール機能により直感的な操作が可能なコミックビューアー「Comix」、画像閲覧に特化されたフォトアルバムなども利用できる。このように、音楽・動画再生やWEBブラウジングの基本機能だけでなく、「こんな機能があったらいいな」と思うさまざまなサブ機能が装備されていた。これこそがAndroid搭載モデルと言ったところで、COWON既存のメディアプレイヤーとは確実に一線を画すモデルである事が分かった。

｜Androidポータブルメディアプレーヤーの先駆けとして

　なるほど、コスト高を承知で採用したと思われる3.7インチサイズの有機ELディスプレイは前評判通りの美しい映像再生を実現してくれた。それでいて本体サイズは、64.2(W)×116.4(H)×11.8(D)mm、重さは120gと非常にコンパクト。あらゆる場面でも、片手に収まるそのサイズは、下部に向かってエッジ形状になっているデザインと相まって非常に取り扱い易い。ポータブル性能としては二重丸を与えてよい出来映えだ。

　文中でも触れたように、WiFi機能によりネット接続も可能な同製品だが、WEBブラウジング機能についてはこの際オマケと割り切ってもお釣りがきそうなほど、動画機能とお得意の音楽再生機能は秀逸である。
　今回がAndroid端末デビューとなった筆者は、Android＝スマートフォンという安易な考えを持っていた。しかしながらAndroidポータブルメディアプレーヤーというジャンルとして、今回テストした「COWON D3」は非常に魅力的な製品に仕上がっている。
　COWONではこのモデルをAndroid端末とMP3プレーヤーの両方の性格を持つ、Androidポータブルメディアプレーヤーと位置付けている。2011年のキーワードの1つとなりそうな、Androidポータブルメディアプレーヤーというジャンルにおいて、「COWON D3」は有力候補となる製品である事は間違いなさそうだ。

協力：株式会社コウォンジャパン
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