ひょんな事からエルミタ編集部にイタリアからのDHLが到着した。巨大な箱に収められた組み立て式のアルミ加工物。その実態はかなり大型サイズのベンチマークテスト台であった、、、
今回のエルミタ的速攻撮って出しレビューは、イタリアに本拠地を置くDIMASTECH SYSTEMS SNC社異色のベンチ台「Bench Test/Table」をお届けしよう。入り口脇に積まれたレビュー用機材の山に加わった強敵は、手軽なベンチ台とはほど遠い高級PCケースとも言える出来映え。春まだ寒い編集部に、イタリアの風が吹き荒れる。
|「ギャンブルも大切な業務のひとつ」を知っておく
PC自作パーツのほとんどはアジア圏から日本市場にやってくる事はご存じの通り。多くのHQ(ヘッドクォーター)は台湾にあり、大陸(中国)がASSYを請け負い、PCケースをはじめ、LOTの嵩む商品は広州や香港の港からFOB(Free On Board)で国内に入荷してくるという流れが一般的となっている。(CPUはアメリカ発だが)
またCPUやグラフィックスカード、メモリやHDD/SSD等の小口荷物、または入荷スピードが重要な製品は、飛行機(=エア)が利用されているというワケだ。
工場出荷から船便の場合1ヶ月程度(通関含め)、エアの場合3〜5日程度で製品は到着すると言われている。エンドユーザーからすれば入荷は早ければ良いと考えるのが自然の事とは言え、当然エアは航空運賃がネックとなる。送料を加算して製品の卸値および売価に反映させるにもやはり限度があり、少しでも利益を乗せたいと考える商社(代理店)側からすれば、日数がかかっても船便を選ぶだろう。しかしここにも問題が潜んでいる。
例えばPCケースの場合、20フィートのコンテナにはミドルタワーケースで400台以上(大型外装箱の場合は300台前半)積み込むことができる。送料を安く抑えるためには、できる限り隙間なく詰め込む方が有利だが、どんどん売れる人気モデルならまだしも、初めて導入する高額なモデルともなればファーストロットの導入数は慎重に行きたい。万一大量の売れ残りが出れば、その分の倉庫代が日々嵩み、せっかく設定した利益幅も値引きや在庫一掃セールで手段を選ばず泣く泣く捌き、利益どころかマイナスになる事も。いずれの業界も同じだが、PCパーツ関連のブランチや代理店は、営業、拡販、サポートだけでなくギャンブルも重要な業務のひとつである事をこの際知っておきたい。