エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.110 品質向上＆豊富なOC機能「MSI X79マザーボードをいじる」

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エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.110
品質向上＆豊富なOC機能
MSI X79マザーボードをいじる

2011年12月19日 10:10
TEXT：GDM編集部池西樹

　2008年に登場した「LGA1366」以来、実に3年振りに更新されたIntelのハイエンドプラットフォーム「LGA2011」。6コア/12スレッドのマルチスレッド対応や、最大8基のメモリスロットなど、ハイエンドPCを狙っていたユーザーにとっては、まさに待望の製品だろう。
　販売当初は流通量が少なく入手が難しかったCPUも、最近ではだいぶ状況が改善されており、年末商戦にあわせて移行を考えている方も多いのではないだろうか。とはいえ、人気プラットフォームということで、メーカー各社からは多くの「X79」チップセット搭載マザーボードが発売されており、どれを選択すればいいのか非常に迷うところだ。
　そこで、今回はMicro-Star International（MSI 本社：台湾）の国内正規代理店、株式会社リンクスインターナショナル（本社：東京都千代田区）の協力により、「LGA2011」対応マザーボード3モデルを借り受け、その実力をじっくりとチェックしてみることにした。これから「LGA2011」プラットフォームへの移行を考えているなら是非参考にしていただきたい。

｜MicroATXサイズも用意された
｜MSI製「X79 Express」マザーボード3モデル

　MSI製「X79」採用マザーボードには、8基のメモリスロットを備えるハイエンドモデル「X79A-GD65（8D）」、ミドルレンジ向けながら、豊富なオーバークロック機能を搭載した「X79A-GD45」、そしてMicroATXサイズ「X79MA-GD45」の計3モデルが用意されている。
　いずれもPCI-Express3.0のサポート、新UEFI「Click BIOS II」、豊富なオーバークロック設定といった従来からの機能に加えて、新品質規格「ミリタリークラス3」に対応している。これまで以上に、高い耐久性と安定性を実現したMSI「X79」マザーボードの実力をじっくりとチェックしていきたい。

X79A-GD65（8D）

X79A-GD45

X79MA-GD45

｜MSI品質規格「ミリタリークラス」は「3」にバージョンアップ

MSIの新品質規格「ミリタリークラス3」

　今回の製品における最大の特徴は、何と言っても新品質規格「ミリタリークラス3」対応だろう。MSIでは、これまでも高い安定性とオーバークロック耐性の向上を実現するため、「Hi-c CAP」、「スーパーフェライトチョーク」、「アルミ固体電解コンデンサ」といった高品質コンポーネントを採用する「ミリタリークラス2」を提唱してきた。
　「ミリタリークラス3」では、規格内容がさらに厳格化され、ヒートプロテクション機能が追加された「DrMOS II」の採用と、搭載コンポーネントの「MIL-STD-810G」認定取得が必須条件として追加されている。
　消費電力が多く、発熱も大きくなりがちな、ハイエンド向けプラットフォームにおいて、高い耐久性や安定動作といったキーワードは非常に重要なファクターだ。MSIの「X79」搭載マザーボードは、これまで以上に搭載コンポーネントの品質にこだわることで、それを実現しているわけだ。

■さらなる高効率化とヒートプロテクション機能を搭載した「DrMOS II」

2段階のヒートプロテクション機能を搭載した「DrMOS II」

　「ミリタリークラス2」で採用されていた、「DrMOS」はMOSFETとドライバICをシングルパッケージに統合することで、シームレスなオン/オフ切り替えを実現している。これにより、エネルギー変換効率の向上、リーク電流を低減し、大幅に発熱を減らすことが可能となった。
　「ミリタリークラス3」で使用される「DrMOS II」では、「DrMOS」からさらにエネルギー効率を向上しただけでなく、サーマルプロテクション機能が追加されている。実際には、チップの温度が115℃を超えると基板上のLEDとソフトウェアで警告。サーマルセンサーが130℃を越えると、システムを自動でシャットダウンするようになっており、加熱によってシステムがダメージを受ける前に自動的に回避できる。「SandyBridge-E」のような、消費電力の多いハイエンドCPUでは、「DrMOS II」のサーマルプロテクションは非常に有効な機能となるだろう。

■「MIL-STD-810G」認定取得

　最近では、携帯電話などでも採用されている「MIL-STD-810G」は、アメリカ国防総省が制定するアメリカ軍の物資調達規格。軍隊で使用する物資を対象とした規格のため、屋外や過酷な環境でも耐えられるように、耐落下衝撃性、耐振動性、耐温度性、耐塵性といったテストにクリアする必要がある。MSIでは、オーバースペックでは？と感じるほど、高品質なコンポーネントを使用することで、高い耐久性を実現しているわけだ。