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エルミタ的業界インタビュー「オピニオン」 Vol.10
「この際、ハッキリさせましょう」
“SSD戦国時代”の大本命、OCZに聞く
2012年5月4日 3:25
TEXT:GDM編集部 Tawash/池西 樹
 かつてはメモリモジュールを中心に、電源ユニット、冷却機器、入力デバイスなど、多岐にわたるPCパーツ総合メーカーというイメージだったOCZ Technology(本社:台湾:以下OCZ)。同社は、SSDを手掛ける最大手のメーカーとして、現在市場から非常に高い支持を受けている。その背景には何があったのか?さらには最先端のモデルを次々と市場へと放つ、バイタリティはどこから湧くものなのか?
 エルミタ編集部では、OCZ社の重要メンバー来日をうけ、国内正規代理店の株式会社アスク(本社:東京都千代田区)の全面協力により、単独インタビューを行った。ここは当然、時を同じくして国内外でも話題となったあのコントローラの疑問についても直撃。明確な回答を得ることができたので、その模様もお伝えしていこう。

 今回、お話を伺うことができたのは、OCZでDirector of Sales,APACのJimmy Kuo氏(以下:Jimmy氏)、Marketing Manager,APACのAlan Chang氏(以下:Alan氏)、Tech Support Engineer,APACのJohnny Preston氏(以下:Johnny氏)の3名。いずれもOCZ社内において、アジア太平洋地域を担当する幹部の方々。マーケティングから具体的な製品の技術に関することまで長時間にわたり、たっぷりと語ってくれた。

Director of Sales,APACを務めるJimmy Kuo氏。APAC地域において価格のコントロールから各チャネルに対してのプロモーションを行う
Marketing Manager,APACを務めるAlan Chang氏。エルミタには何度か登場する同氏は日本と台湾を頻繁に行き来しながら、マーケティング業務を担当する
Tech Support Engineer,APACを務めるJohnny Preston氏。テクニカルな質問の全てを分かりやすく答えてくれた。日本語も堪能



2012年も好調が続くSSD市場は300%の成長を見込む

ここ数年でSSD市場を代表するメーカーへと一気に変貌を遂げたOCZ。主力の取り扱い製品を変更するという大胆な業務転換は、大成功といってよい結果をもたらした。いまやメモリモジュールを扱っていたことを知るユーザーも、年を追うごとに少なくなっていることだろう

編集部:
 まずはじめに、2012年もQ2に入りましたが、現在世界のSSD市場の動きについてOCZではどのように捉えていますか?

Jimmy氏:
 非常に好調と言えます。昨年と比較して全体で300%は成長すると見ています。

編集部:
 300%ですか?それはまた凄い数字ですね。

Jimmy氏:
 ただ各チャネルに対してはそれほど伸びないでしょう。おおよそ120%程度と見ています。一番大きく成長が見込めるのがエンタープライズ向けのSSDですね。クラウドサーバー等の分野で180%前後は成長すると思います。

編集部:
 では日本のSSD市場はいかかでしょうか?OCZとしてはどのように分析してますか。

Jimmy氏:
 日本国内のSSD市場には、未だナンバーワンの安定したシェアを誇るメーカーはないと考えています。海外から見ていると分かり易いですが、まるで“戦国時代”のようですね。その中でOCZとしては、一番のメーカーになれる自信をもって常に臨んでいます。

OCZが“戦国時代”とにらむ現在の国内SSD市場。たしかに一時の隆盛を誇るメーカーは出現するものの、長期政権を築くメーカーは未だに現れていないという状況だ。加えて新規参入メーカーも後を絶たず、アキバのショップに掲示される価格表も日々変わってゆく

編集部:
 最もセールスの多い地域や国はどこですか。

Jimmy氏:
 ドイツです。最新のマーケティング調査ではOCZが市場の60%を持っています。対抗となるメーカーは皆さんもご存知のCrucialです。

編集部:
 ドイツで売れている要因はなんでしょうか。

Jimmy氏:
 まずひとつは、ユーロ圏中心となる市場ということで早くから参入した点が挙げられます。またそれに合わせて、当初よりマーケティングへの投資も積極的に行い、まずは利益よりもシェアを取ることを優先しました。

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