間もなく激動の2011年が終わろうとしている。今年のPC業界もいろいろな話題で自作ユーザーを楽しませてくれたワケだが、中でも「バトルフィールド 3」の発売は組み替え需要に拍車をかけ、「BF 3」特需として今現在もその熱は冷めていない。
今年の掉尾を飾る「速攻撮って出し」は、2011年の自作業界を語るには外す事はできない「バトルフィールド 3」を軸に、快適にプレイするための必要スペックやマシン構成、さらに秋葉原自作パーツショップ店員による「BF3」向けPCパーツのオススメを聞き、エルミタ的に総括してみたいと思う。さらに今回の企画は、PCパーツの大手商社、株式会社アスク(本社:東京都千代田区)の協力を得て、流通側がアプローチする「BF3」マシンについても検証を交え、ご紹介していきたい。 |
|人気FPS「バトルフィールド 3」を快適にプレイしたい
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大人気FPSゲーム「バトルフィールド 3」。まさに実写と見紛うほどの美しいグラフィックだ |
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国内でもファンの多いFPSゲームシリーズ「バトルフィールド」だが、6年ぶりにアップデートされたナンバリングタイトル「バトルフィールド 3」が11月2日に発売された。
DirectX11対応により、映画と見間違えるほど緻密なグラフィックスや、最大64人による大規模なマルチプレイで戦闘を楽しむことができることから、発売前から注目を集めたまさにファン待望のFPSゲームだ。
ただし、美しいグラフィックスを存分に堪能するために、PCに要求されるハードルは高い。最低環境でも、CPUは2GHz以上のデュアルコア、GPUは「Radeon HD 3870」/「GeForce 8800」以上。推奨環境は、CPUはクアッドコア、GPUも「Radeon HD 6950」/「GeForce GTX 560」以上となり、特にグラフィックスカードについてはかなり高い性能を要求されている。
最低環境であれば、最近のPCなら問題ないだろう。ただし推奨環境となれば「うちのPCではちょっと、、、」というユーザーも多いのではないだろうか。そんなユーザーに向けて、「バトルフィールド 3」が快適に動作するPCを提案しようというのが今回の企画の趣旨というわけだ。
「バトルフィールド 3」 必要最小システム構成 |
CPU |
デュアルコア2GHz
(Core2 Duo 2.4GHz/Athlon X2 2.7GHz |
メモリ |
2GB |
HDD空き容量 |
20GB |
グラフィックスカード
(AMD) |
DirectX 10.1 VRAM 512MB以上
(Radeon HD 3870相当以上) |
グラフィックスカード
(NVIDIA) |
DirectX 10.0 VRAM 512MB以上
(GeForce 8800相当以上) |
サウンド |
DirectX互換 |
DVD-ROMドライブ |
2層読込対応8倍速以上 |
OS |
Windows Vista SP2 32bit版 |
「バトルフィールド 3」 推奨システム構成 |
CPU |
Intel Core 2 Quad/AMD Phenom II×4以上 |
メモリ |
4GB |
HDD空き容量 |
20GB |
グラフィックスカード
(AMD) |
Radeon HD 6950以上 |
グラフィックスカード
(NVIDIA) |
GeForce GTX 560以上 |
サウンド |
DirectX互換 |
DVD-ROMドライブ |
2層読込対応8倍速以上 |
OS |
Windows 7 |
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|「推奨環境」に従ったモデルを検討してみる
それでは、まずメーカーが提唱する「推奨環境」に従ったPC構成を考えていくことにしよう。「バトルフィールド 3」を快適にプレイしたいなら、少なくてもこのハードルは超える必要がある。
■Intelプラットフォームなら「Core i5-2500K」+「Z68」構成
(市場想定売価30,000円前後)
Intelプラットフォームからチョイスするなら、CPUは「Core i5-2500K」が性能とコストパフォーマンスのバランスが良くオススメだ。さらに、倍率ロックフリーであることから、オーバークロックによるさらなる性能向上が期待できる点もメリット。
組み合わせるマザーボードは、Intel「Z68 Express」搭載モデルがいいだろう。「Quick Sync Video」による動画エンコードや「Smart Response Technology」による高速なストレージ環境など、ゲーム以外のシーンでも大いに活躍できる。
■AMDプラットフォームなら「FX-8120」+「AMD 990FX」構成
(市場想定売価30,000円前後)
AMDプラットフォームなら、CPUはハイエンド向けの「AMD FX」シリーズからチョイスしよう。コストを抑えたいなら実売10,000円前後で購入可能なうえ、4コアで動作クロックが比較的高い「FX-4100」を、予算に余裕があれば実売18,000円前後で購入できる8コアの「FX-8120」や「FX-8150」選択するといいだろう。「バトルフィールド3」はマルチスレッドに対応しているため快適なゲーム環境を実現してくれるはずだ。ちなみに、「AMD FX」シリーズも倍率ロックフリーのため、簡単にオーバークロックを楽しむことができる。
■グラフィックスカードはNVIDIA「GeForce GTX 560」
(市場想定売価17,000円前後)
グラフィックスカードについては、推奨環境にて対応GPUが謳われているためGPUに「GeForce GTX 560」または「Radeon HD 6950」を選択したい。現状、「Radeon HD 6950」に比べ「GeForce GTX 560」は5,000円ほど安価なことから、メーカーに特にこだわりがなければ「GeForce GTX 560」搭載グラフィックスカードでいいだろう。
■メモリはPC3-12800(1600MHz)4GB×2がおすすめ
(市場想定売価3,000円前後)
最近安値で安定しているメモリについては、スピードとコストパフォーマンスからPC3-12800(1600MHz)の4GB×2セットがオススメだ。4GB以上のメモリを使う場合、64bit版OSが必須となるが、「バトルフィールド 3」は64bit版のWindows7にも対応しているため、特に問題ない。
■HDDと光学ドライブは安価な製品をチョイス
(市場想定売価10,000円前後)
ゲーム専用PCとして使う場合、HDDや光学ドライブは、それほどこだわる必要はない。コスト重視なら、なるべく安価な製品を選択すればいいだろう。ただし、HDDの代わりにSSDを採用することで、OSの起動やゲームロード時間は大幅に短縮できる。予算に余裕があるならSSDの採用は是非検討したい。
■ゲーミングPCケースから好みのデザインで選択するのもアリ
(市場想定売価12,000円前後)
ゲームPCでは、大型のグラフィックスカードを搭載するため、ケースは内部スペースが広くとられている製品がおすすめだ。また、裏配線が可能なケースをチョイスすれば、ケーブルマネジメントはかなり楽になるだろう。ゲーマーの要望を取り入れた、PCケースが多くリリースされているので、ゲーマー向けを謳う製品から選択したい。また、ゲーミングPCケースはデザイン的にも凝った製品が多いことから、機能に大きな差がない場合、外観重視で選択するのも面白い。
■電源は80PLUS GOLD、容量750W〜800Wモデルがオススメ
(市場想定売価15,000円前後)
最近のグラフィックスカードは、ミドルハイクラスでもTDPが200W前後とかなり消費電力が大きくなっている。そのため、電源容量は余裕を持って750Wから800Wクラスを選択したい。さらに、無駄な消費電力を抑えるために高効率を謳う80PLUS GOLD認証を取得したモデルがオススメだ。最近は価格も下がってきており、安価なモデルなら13,000円前後、15,000円まで出せばかなり自由に選択することができる。
■推奨環境を満たす場合、100,000円前後は準備しておこう
「バトルフィールド 3」 推奨システム構成金額内訳 |
CPU+マザーボード |
30,000円前後 |
グラフィックスカード |
17,000円前後 |
メモリ |
3,000円前後 |
HDD+光学ドライブ |
10.000円前後 |
PCケース |
12,000円前後 |
電源ユニット |
15,000円前後 |
OS |
13,000円前後 |
合計 |
約100,000円 |
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ここまで紹介したパーツに加えて、OSにDSP版の「Windows 7 HomePremium 64bit版」を購入した場合の合計金額は約100,000円。この金額を目安として、お財布に余裕があれば、グラフィックスカードやCPUを中心に強化していけば、「バトルフィールド 3」を快適に楽しめるPCを構築することができるだろう。 |