SATA3.0(6Gbps)世代のSSDでは、SandForce「SF-2281」を中心に製品を展開してきたOCZ Technology(本社:アメリカ カリフォルニア州)。しかし昨年3月のIndilinx買収以降、コンシューマー向け製品は「Everest」プラットフォームへシフトを始め、「Octane SATA3」「Petrol」「Octane SATA2」の3シリーズによって、エントリーからミドルレンジのラインナップはほぼ移行が完了している。
さらに2012年4月には、最新プラットフォーム「Everest2」を搭載したハイエンドモデル「Vertex 4」シリーズが満を持して登場した。
初代「Everest」のウィークポイントであった、ランダムアクセスが大幅に改善され、2.5インチSSDでは最高クラスの性能を謳う「Vertex 4」シリーズ。そのパフォーマンスに期待しているユーザーは少なくないだろう。
そこで今回はOCZ国内正規代理店の株式会社アスク(本社:東京都千代田区)の協力により「Vertex 4」シリーズの512GBモデル「VTX4-25SAT3-512G」を借り受け、注目の「Everest2」プラットフォームの性能をじっくりと確認していくことにしよう。 |
|IndilinxオリジナルファームウェアとMarvell製コントローラ「88SS9187」で構成される「Everest2」プラットフォーム
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「Everest2」プラットフォームを搭載した「Vertex 4」シリーズ |
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「Everest2」を”コントローラ”ではなく”プラットフォーム”と表現しているのは、先日お届けしたインタビューでも言及したとおり、「Everest2」がIndilinxオリジナルファームウェアとMarvell製コントローラ「88SS9187」で構成されているため。
SSDの性能を決める上で、コントローラは重要なファクターだが、それ以上に重要なのがファームウェアの完成度。最近では、多くのSSDメーカーがファームウェアの最適化を進めることで、他社との差別化を図っている。OCZもオリジナルファームウェアにより「88SS9187」の性能を最大限に引き出すことで、高い性能を実現しているわけだ。
|ランダムアクセスが大幅に向上したフラグシップモデル「Vertex 4」シリーズ
「Vertex 4」シリーズは、「Everest2」プラットフォームと高速なSynchronous MLCを採用した、SATA3.0(6Gbps)対応SSDのフラグシップモデル。現在128GB、256GB、512GBの3種類がラインナップされ、64GBの低容量モデルも近日中には販売が開始される予定だ。
転送速度は容量によって異なり、今回検証する512GBモデルは最大読込550MB/sec、最大書込475MB/sec、4KBランダム読込95,000 IOPS、4Kランダム書込85,000 IOPS。256GBおよび128GBモデルではシーケンシャル書込がそれぞれ465MB/sec、420MB/secに、ランダム読込が90,000 IOPSに制限される。なお詳細スペックは以下の表にまとめた通りだ。
冒頭でも触れた通り、ランダムアクセスが特に優秀で、512Kのランダム書込では120,000 IOPSという驚異的な性能を発揮する。
その他、NANDフラッシュメモリの耐久性や信頼性を向上させる独自機能「NDurance 2.0」、Windows 7 Trimコマンド、AES-256bit暗号化、アドバンスドECCなどに対応する。
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「CrystalDiskInfo4.6.2」の結果。ファームウェアのバージョンは初期出荷時の「1.3」 |
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