|
|
｜SATA 6GbpsじゃなくてUSB3.0がトレンド？
編集部）今回は2010年第1四半期を聞くという事で、SATA 6Gbpsについてどうでしょう？今年前半で多くのマザーボードに標準搭載されるようになってきました。こちらの事情はいかがですか？
Patric）まだまだでしょうねぇ。台湾のユーザーからは完全に“模様眺め”の状況になっています。その良さを発揮するはずのSSDも現時点1モデル（編集部注：Micron「RealSSD C300」）しか市場に無く、その上安定感の問題が課題ですね。
編集部）どうもしっくり来ていないようですね。SATA 6Gbpsで劇的な環境の変化があったという話も実はあまり聞きません。
Patric）はい。各ベンダーもあまりうまく行っていないのではないでしょうか。もう少し接続できるサンプルが揃えば良いのですが、SSDメーカーは完全にdelayです。昨年あれだけ市場を賑わしたINDILINX社もスケジュールを遅らせており、昨年末の期待感からは随分とかけ離れたロードマップに変更されています。
 |
| SATA 6Gbpsはどうなってしまうのだろうか、、、 |
|
編集部）編集部にも今年はSATA 6GbpsのSSDを出さないかもしれないという某メーカーの話が入ってます。しばらくはSATA 3Gbpsで行くんでしょうね。
Patric）スピードが思うように出ないようです。反面、台湾ではUSB3.0に注目が集まっていて、人気ですよ。
編集部）なるほど。
Patric）こちらは比較的安定しており、NECエレクトロニクス社製「uPD720200」はライセンスの問題で非常に高いチップと言われていますが（笑）、それなりに評価されており、多くのユーザーは歓迎しています。同列には比較できませんが、SATA 6Gbpsより遙かに信頼感は高いですね。
編集部）ちなみにSSD事情はどうですか？前回の対談から市場の変化はありましたか？
Patric）そう変わりはないですね。やはり高いというイメージがつきまとい、一部で使われているというところでしょう。強いて言うならIntelがやはり人気ですね。その他メーカーは皆一緒（笑）。
編集部）Intelは強いですねぇ。どうにかしてもらわないと、、、
Patric）いや、正直諦めていますよ。1番になろうとはどこも思っていない。2番を取る事こそが第一目標です。
編集部）思わず「2位ではだめなのですか」と言う言葉が浮かびますね。
Patric）なんですかそれ？
｜今年前半の人気PCパーツメーカーは？
編集部）以前もお伺いしましたが、現在台湾市場でのPCパーツ人気メーカーはどこでしょうか。
Patric）マザーボードは相変わらずASUSTeKです。GIGABYTEもアフターサービスが良いので人気ですね。
編集部）グラフィックスカードはどうでしょう。
Patric）msiが人気です。
編集部）ほほお。意外とは言いませんが一番人気ですか？
Patric）そうですね。GIGABYTEは2年保証ですが、msiは3年保証です。だからmsiが人気です（笑）。
編集部）そうでしたね。以前のお話では台湾のユーザーは保証が一番、次に価格、そしてパフォーマンスの順と聞きました。そう言えばEVGAやInno3Dは売っていないとか？
Patric）EVGAは今購入できますね。代理店のオンラインストアもあります。Inno3Dは台湾に代理店がありません。ちなみにEVGAですが、以前代理店が整っておらず、アフターサービス窓口がアメリカになっていたため、台湾ユーザーはいくら良い製品であっても購入しない状態でした。そこで一時的に消えてしまったのですが、台湾に代理店ができた事で今では復活しています。新GPUを使っていち早くオーバークロックモデルを出したり、なかなか面白いですよね。
編集部）確かにEVGAはかなりアメリカの匂いがしますね。日本でも正規代理店が変わり、攻勢をかけてきました。もう少し売れても良いと思うのですが。ちなみにケースはどうですか？
Patric）安いモデルはCoolerMasterです。「Eliteシリーズ」が手頃で比較的人気がありますよ。ただこの価格帯では電源ユニット付きでなければ売れませんが。
編集部）ではミドルレンジはどうでしょう。
 |
| 編集部絶賛だったSilverStone「RAVEN 2」 |
|
Patric）特に売れているモデルはありませんが、比較的高いモデルではSilverStoneが好調のようですね。エルミタでもレビューをやっていた「RAVENシリーズ」は台湾でも評価が良いです。いいPCケースですよね。
編集部）PCケースは規格が激変しませんから、長い年月をかけて熟成してゆくはずのものですよね。そんな条件の中で、「RAVEN 2」や「CM 690 II Plus」のように“なるほど考えてあるなぁ”と思わせる新機構等を採用するメーカーにはやはり底力を感じます。“内部を黒に塗って2.5インチシャドウベイを付けた程度で他は昔と同じ”というPCケースがありますが、もう少し工夫して欲しいなぁと思うことも。
Patric）優秀なPMがいるメーカーはやはりこの辺りで差がでますね。
編集部）次に電源ユニットはどうでしょう。
Patric）安価なクラスしか台湾では売れませんから。ハイエンドクラスと呼ばれるモデルは依然それほど売れません。日本くらいですよ、あんな必要以上の出力を必要とするのは（笑）。
編集部）（苦笑）。
Patric）そうそう、エルミタの「電源ばらばら企画」は台湾でも話題になりましたよ。
編集部）それはそれは、、、
Patric）中身を見てみたいというユーザーは非常に多く、みな興味津々でした。特にAntecの内部が見たかったという声を聞きました。
編集部）あの企画はよくメーカーがOKを出したなと（笑）。交渉に尽力頂いた代理店の担当者様には感謝感謝です。
Patric）（苦笑）。以前もお話しましたが、台湾の電力事情が良くありません。どこかにその因果関係が潜んでいるかもしれませんが、高出力電源は無駄という認識のようです。日本とは直接比べる事はできませんが、、、ちなみにネットワークインフラもそうです。日本や韓国に行くと、インターネットが高速で驚きます。マザーボードなどはほとんど台湾なのに、インターネットが遅いっておかしいでしょ？
編集部）まぁ、、、
Patric）日本のNTTに当たる中華電信という会社が台湾のインターネットインフラを一手に引き受けているのですが、みんな怒ってますよ（笑）。日本から台湾に戻ると本当にストレスが溜まります、、、その上、接続する場所でかなり速度の違いがあります。インターネット環境に関して台湾はまだまだ発展途上と言えますね。
編集部）で、電源ユニットは、、、
Patric）FSPが人気ですね。日本ではOEM供給くらいであまり売っていないと思いますが。
編集部）売っていませんね。でも台湾ではよく見かけます。やはり低出力で安価な価格帯に人気があるんですね。店頭の様子を見ると本当にそう感じます。500W以上のモデルは高級品の扱い（笑）。
｜知ってましたか？あのケース、実は、、、
Patric）そう言えば面白いケースを入手したそうですね？
編集部）あ、アレですね（笑）。（編集部注※近々「速攻撮って出し」でお披露目予定。こうご期待）
Patric）あのケースは海外でも人気で、日本同様台湾でも入手できません。羨ましいなぁ。ちなみにPCケースと言えば、ちょっと前に某大手メーカーが中国の生産工場を閉鎖させ、ベトナムに移ったんですよ。
編集部）ベトナムですか？
Patric）はい。日本でもお馴染みのブランドですが、一部モデルはその会社がOEM供給していました。中国にあった工場は本当に大きくて、私も行きましたが驚きますよ。中は車で移動です。そのメーカーが自社ブランドの看板を下ろし、OEM供給専門の会社になりました。そして現在はベトナムに工場を持ち、そこで生産を続けています。
編集部）（モデル名を聞いて）それは絶対に書けませんね（笑）。
Patric）PCケースの場合クォリティが良ければ生産国は気にする必要は無いと思いますが、知らないうちにベトナム生産のPCケースを使っているかもしれませんよ。
編集部）外装箱に書いてあるのかなぁ。
Patric）恐らく書いていないでしょう（笑）。
□対談後記
残念ながらここでフライトの時間となってしまった。今回は短い時間ながらも相変わらず内容の濃いお話を聞くことができた。（書けない事ばかり、、、）今後もPatric氏は定期的に日本へ来る予定なので、また色々と台湾PC事情を聞いてみたいと思う。 |
|
|
 |
 |
|
|
|
|
| |
|
|
