|「R7770 TransThermal OC」のオーバークロック効果をベンチマークで試す
ある種メインディッシュともいえる「トランスサーマルクーラー」の検証はご堪能いただけただろうか。ここでは「R7770 TransThermal OC」がもつグラフィックスカードとしての本分を、ベンチマークソフトを使ったスコア計測でチェックしていく。なお、出荷段階で施されたオーバークロックの効果をリファレンスモデルと比較するため、MSI独自のユーティリティ「Afterburner 2.2.1」によるクロック調節でリファレンススペックを再現、同時に計測を行った。
ちなみにスコア計測には影響のないことではあるが、ベンチマーク時の形態は「シングルファンモード」。そして今回の計測には「R7770 TransThermal OC」と同様、エムエスアイコンピュータージャパン株式会社よりハイエンドマザーボード「Z77A-GD65」を借り受け、テストに使用している。それ以外の環境は以下の表を参照していただきたい。
|
「Afterburner 2.2.1」を使用したクロック調整でリファレンススペックを再現する |
|
|
|
リファレンス動作クロックを「GPU-Z 0.6.2」でチェック。負荷時はコア・メモリクロックともに最大スペックで稼働しているものの、アイドル時にはコアクロック300MHz、メモリクロック150MHzに低下している |
|
|
|
こちらはオーバークロックが施された出荷時のもの。負荷時はリファレンスより100MHz高いコアクロック1,100MHzで動作し、アイドル時は同様にクロックが低下する |
|
|
|3DMark 11 Version1.0.3
まずは毎度おなじみ、DirectX 11世代の定番ベンチマークソフト「3DMark11 Version 1.0.3」によるテストから。計測環境は「Performance」と「Extreme」2つのプリセット設定を使用する。「R7770 TransThermal OC」に施されたオーバークロックの効果をグラフで確認してみよう。
|
3DMark11 Version1.0.3 Performance |
|
|
3DMark11 Version1.0.3 Extreme |
|
|
総合スコア、グラフィックスコアともに6%前後のパフォーマンスアップを果たしており、オーバークロックの効果がスコアに表れている。「Extreme」環境ではやや差が広がったため、より高解像度の環境の方がクロック上昇効果は大きいようだ。より一層の性能向上のため、変形クーラーの冷却能力を生かしたさらなるオーバークロックを狙う、という選択肢も視野に入ってくるかもしれない。
|3DMark Vantage1.1.0
次にDirectX 10世代のベンチマークソフト「3DMark Vantage1.1.0」を使用したテストを行った。こちらでも「Performance」「Extreme」2つのプリセット設定で計測している。
|
3DMark Vantage Version1.1.0 Performance |
|
|
3DMark Vantage Version1.1.0 Extreme |
|
|
「3DMark11 Version 1.0.3」におけるテスト同様、5〜6%以上の性能差がスコアに表れている。オーバークロックによる性能向上は、新旧どちらの環境でも問題なく効果を発揮しているようだ。プレイするゲームの世代ごとにバラつきが少ないのは歓迎したいところ。 |