あくまで自己責任となるが、グラフィックスカードベンダーも以前に比べてオーバークロックにだいぶ寛容になっており、独自のオーバークロックツールをいわゆる”ウリ”の1つとするメーカーが増えてきている。
SAPPHIREもこの流れに乗り、独自オーバークロックツール「TriXX」を用意している。残念ながら、現在のところまだRadeon HD 7800シリーズには対応していないため、今回は細かい検証は行わなかったが最後に簡単に紹介しておこう。
今回はRadeon HD 7970を搭載した「HD7970 3G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-I/DUAL MINI DP OC」(型番:SAHD797-3GD5OC001/11197-01-40G(VD4530))で動作確認を行ったが、GPUクロック、メモリクロックは1MHzずつ、GPU電圧は0.001Vずつ調整が可能だった。さらにファン回転速度も固定だけでなく、温度によって回転速度を自由に変更できるなどかなり充実した機能を備えている。今後ぜひRadeon HD 7800シリーズにも対応してほしいものだ。
|静音かつ高性能なRadeon HD 7850グラフィックスカード「Sapphire HD 7850 OC 2GB GDDR5」
今回はRadeon HD 7850を搭載した「Sapphire HD 7850 OC 2GB GDDR5」を検証してきた。カード長は実測値で約212mmとこれまでのアッパーミドルクラスに比べて大幅に短くなっており、PCI-Express補助電源も6pin×1構成のためとても扱いやすくなった印象だ。
またオリジナルのVGAクーラーは非常に優秀で、アイドル時だけでなく高負荷時でもファンの音が気になることはなかった。さらにリファレンスクーラーのように起動時にフル回転することもないため、まさに騒音に悩まされる心配は皆無と言って良い。さらに冷却性能も高く、ベンチマークテスト中でもコア温度は最大55度とかなり低く抑えられていた。
性能面でも、ベンチマークテストを見るかぎりよほど重量級のゲームを高解像度でやらない限り十分な性能を備えており、多くのゲームユーザーでも満足するパフォーマンスを手に入れることができるだろう。