2018.04.15 00:00 更新
2018.04.15 取材
株式会社エムエスアイコンピュータージャパンは2018年4月12日、京都市内にてIntel第8世代Coreプロセッサを搭載するゲーミングノートPCの新製品発表会を開催した。お披露目されたのは、モバイル向け初のCore i9を搭載するモンスターノートや、狭額縁の高速描画液晶を採用した極薄モデルなど、いずれも注目製品揃い。来週にも市場に投入される、最新かつ最先端のゲーミングノートを一足早くチェックしておこう。
アキバを遠く離れ、京都コンピュータ学院にて開催されたMSIのゲーミングノート新製品発表会。会場には、プレス関係者以外に同校の学生たちも多く参加した |
グローバルのゲーミングノート市場を牽引しているMSIから、“Coffee Lake-H”ことIntelのモバイル向け第8世代Coreプロセッサ搭載の最新モデルが発表された。会場となったのは、創立55年の歴史をもつ京都市内の専門学校「京都コンピュータ学院」だ。
さすがは国内初のコンピュータ専門学校とあって、校内には歴史ある黎明期のコンピュータ製品も多数展示されていた |
なにやら意外な場所での開催のように思えたが、実は昨今のMSIは文京分野へ積極的に進出しており、同学院のゲーム開発系学科にもMSI製ゲーミングノートが本格採用されている。ゲーム開発や3D制作の現場では、フットワークの軽さと同時に、一般的なノートPCのスペックを凌駕するハイパフォーマンスなGPU性能が求められるためだ。
こうしたニーズにMSI製のゲーミングノートが強力にフィット、ハリウッドなど第一線で活躍するクリエイターにも愛好者が多いという。しかし学生たちが授業の度に、一斉にド派手なゲーミングノートを開くというのは、想像するとなかなか壮観な光景だ。
発表会冒頭に登壇して挨拶した、エムエスアイコンピュータージャパンノートPC営業部部長のRicky Chiang氏 | 会場を提供した、京都コンピュータ学院のデジタルゲーム学系主任 高橋功氏 |
Intelのモバイル向け第8世代Coreプロセッサの解説を行う、インテル株式会社のコンスーマー・クライアント・マーケティング部部長 森井信吉氏 | ゲーミングノート市場の動向について語る、キヤノンマーケティングジャパン株式会社主席の村中恒夫氏 |
VRについて主に学生向けに講演を行った、株式会社アルファコード代表取締役社長の水野拓宏氏 | 映画「300」の製作にも携わった経験をもつ、京都情報大学院講師のキリル・コシック氏。同氏によれば、ハリウッドにもMSI製ゲーミングノートの愛好者が多く存在するとか |
最新世代で最強のゲーミングノート「GT75 Titan」。モバイル向けではIntel初の6コアCPUである、Core i9-8950HKを搭載している |
発表会で披露された中でも、ウルトラハイエンドに君臨する最上位機種が「GT75 Titan」だ。“Intel史上最高のモバイルCPU”としてリリースされた「Core i9-8950HK」(6コア12スレッド/最大4.8GHz)とGeFoce GTX 1080を搭載したモンスタースペックを誇る。重さも約4.56kgとヘビー級だが、デスクトップのゲーミングPCに匹敵するハイパフォーマンスを実現した。
冷却機構には、大型ファン2基と9本ものヒートパイプを組み合わせた「Cooler Boost Titan」が採用され、Core i9 CPUのオーバークロックにも対応する。
重さは4kgオーバーという、肉厚な筐体。背面からは、大掛かりな冷却機構「Cooler Boost Titan」が確認できる |
ディスプレイはフルHDの17.3インチ液晶で、リフレッシュレート120Hz(3ms応答)の高速描画に対応。最大64GB構成も可能なDDR4-2666MHzメモリ、512GB NVMe SSDなどを組み合わせる。
そのほか、キーボードにはキーストローク3mmかつ1.5mmアクチュエーションの薄型メカニカルキーボードを採用。Steelseriesとのコラボレーションによる「Per-KeyRGB」仕様のRGBイルミネーションにも対応する。
ネットワークは有線・無線ともにゲーミング御用達のKiller NIC仕様としたRivet Networks Killer E2500 GBLAN+Killer Wireless-AC 155Qiを搭載。ハイレゾ対応DACを内蔵したオーディオ端子、Thunderbolt 3などの豊富なインターフェイスも備えている。
打鍵感良好な薄型メカニカルキーボードを搭載。1.5mmの短接点仕様で、ゲーミングでの高速入力に適している |
ハイレゾ対応DACを内蔵したオーディオ端子など、豊富なインターフェイスを搭載。モンスタースペックを安定動作させるため、2基のACアダプタをジョイントさせて給電している |
4月20日より順次販売が開始される予定で、市場想定売価は税込440,000円前後からと、こちらもヘビー級だ。
なお、MSIは「GT75 Titan」シリーズ以外にも、高クロック版のCore i9-8850Hと2基のGeForce GTX 1080をSLI構成で搭載した「GT83 Titan SLI」、15.6インチタイプ最強を謳う「GT63 Titan」も発売予定という。まだ発売時期や価格などは調整中とのことだが、追加投入のラインナップも要チェックだ。
新製品開発を担当したエムエスアイコンピュータージャパン新井雅俊氏より、さらなる上位機種の「GT83 Titan SLI」も発表。高クロック版Core i9とSLI構成のGTX 1080を搭載、銀軸採用の本格メカニカルキーボードも備える |
歴代最も人気が高いという、薄型モデルの進化系「GS65 Stealth Thin」。狭額縁デザインの高速描画ディスプレイを搭載している |
そしてMSIが最上位機種以上に期待しているという、注目モデルが「GS65 Stealth Thin」。薄型軽量「GS」シリーズの進化系と位置付けられる製品で、筐体はわずか17.9mm厚、重さも1.88kgと超軽量。そして際立ったスリム感を演出しているのは、15.6インチながら“14インチサイズ”を実現した狭額縁ディスプレイだ。
ディスプレイは、MSI製ゲーミングノートとして初めてリフレッシュレート144Hz(7ms応答)の高速描画に対応。FPSやレースゲームといった、動きの激しいゲームでも滑らかな映像表示を可能にしている。
筐体の随所にゴールドカラーをあしらったビジュアルも特徴で、ゲーミングノートには珍しく、エレガントなデザインが印象的だ。
非常にスリムな筐体を採用、厚みはわずか17.9mmで重さは1.88kgだ |
ロゴや装飾にゴールドを配色した、エレガントなデザイン。ド派手なイメージの従来型ゲーミングノートとは異なるコンセプトだ |
もちろん極薄形状ながら性能は一級品で、Core i7-8750H(6コア12スレッド/最大4.1GHz)とMax-QデザインのGeForce GTX 1070を内蔵。0.2mmの極薄ブレードを47枚並べた3連ファンと4本のヒートパイプを組み合わせる「Cooler Boost Trinity」を新設計、冷却面にも抜かりはない。
そのほか、スペックは最大32GBを実装できるDDR4-2666MHzメモリ、合計512GBのMVNe SSDなど。ネットワークは上記同様にKiller E2500 GBLAN+Killer Wireless-AC 155Qiを搭載し、オーディオは高音質なDYNAUDIO製スピーカーやハイレゾ対応DAC内蔵端子を装備。「Per-KeyRGB」に対応したSteelseriesコラボのキーボードも備えている。
4月20日より順次販売が開始される予定で、市場想定売価は税込320,000前後から。
「Per-KeyRGB」対応のSteelseriesキーボードや高音質スピーカーを内蔵。なお、改良を重ねたACアダプタは、いまやスマホ大に近いサイズまで小型化している |
ハイパフォーマンスシリーズの「GE63 Raider RGB」。最大12スレッドのCore i7を搭載したモデルだが、最も目を引くのは進化したイルミネーションだろう |
「GT」シリーズに次ぐ多機能・高性能モデルに位置付けられる「GE」シリーズからは、17.3インチ「GE73 Raider RGB」と15.6インチ「GE63 Raider RGB」が登場。最大の魅力は、天板に内蔵された合計24ゾーンの分割カスタマイズが可能な「Mystic Light」対応のRGBイルミネーションだ。
天板に仕込まれたイルミネーションは、左右合計24ゾーンのカスタマイズに対応。キーボードと相まって、かなりド派手な演出が楽しめる |
サイズ違いで2シリーズをラインナップ。こちらはGTX 1070を搭載する17.3インチモデル「GE73 Raider RGB」だ |
ディスプレイは、いずれもリフレッシュレート120Hz対応(3ms応答)のフルHD液晶を採用。Core i7-8750H(6コア12スレッド/最大4.1GHz)とGeForce GTX 1070(「GE63」はGeForce GTX 1060)を搭載し、冷却はデュアルファンと7本パイプの「Cooler Boost 5」が組み込まれている。
そのほか、ネットワークはKiller E2500ギガビットLAN+Killer Wireless-AC 1550、「Per-KeyRGB」対応のRGBイルミネーションキーボードも搭載している。
それぞれの市場想定売価は、「GE73 Raider RGB」が税込300,000円前後から、「GE63 Raider RGB」は税込260,000円前後からとなっている。いずれも4月20日より順次発売開始の予定だ。
冷却は強力な「Cooler Boost 5」、キーボードは「Per-KeyRGB」仕様のSteelseries製を採用している |
なかなか豪華な仕様をもつ、魅力的なメインストリームモデル「GP63 Leopard」 |
メインストリームモデル「GP」シリーズからは、2017年版の「GE63」をベースとしたデザインを採用する新型「GP63 Leopard」が登場する。
ディスプレイは、リフレッシュレート120Hzの15.6インチフルHD液晶を搭載。Core i7-8750H(6コア12スレッド/最大4.1GHz)とGeForce GTX 1060を内蔵し、冷却にも「Cooler Boost 5」を組み込むなど、上位モデルに匹敵する豪華な仕様になっている。
ネットワークはKiller E2400ギガビットLAN+Intel Wireless-AC9560無線LANを備え、キーボードは3ゾーンのカスタマイズが可能なRGB対応の「Steelseriesゲーミングキーボード」を搭載する。
従来型の筐体デザインを採用しつつ、スペックは最先端。キーボードは「Per-KeyRGB」仕様ではないものの、RGB対応のSteelseriesキーボードを備える |
市場想定売価は税込230,000円前後からで、4月20日より順次発売開始。なお、会場には持ち込まれなかったものの、同じくメインストリーム向けには税込220,000円前後の「GF72」、さらにエントリー向けの「GL」「GV」シリーズの新モデルも投入を予定しているとのこと。特にまだ発売時期・価格ともに調整中という、エントリーモデルには期待したい。
ゲーミングノートに合わせてブラッシュアップされた、MSIの独自ユーティリティ「Dragon Center 2.0」も発表された |
UIが一新され、システムモニターの使い勝手が向上。チューニング画面もまた、全項目をコンパクトにまとめて表示するスタイルに変更された |
メモリ解放機能などが可能な「Gaming Mode」や、ボイスチャットとゲームボリュームを自動調整する「Voice Boost」などの新機能が追加されている |
イベント最後には、“サプライズ”として「PUBG」や「AVA」、「Overwatch」などで活躍するプロゲーミングチーム「SunSister」とのスポンサード契約が発表された |
「SunSister」をメインスポンサーとして、様々な側面から支援していくことが決定。発表に際して、Sunsister代表の太田氏とチームメンバーが登壇した |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社: https://jp.msi.com/