2018.06.12 12:00 更新
2018.06.12 取材
分離型のコンパクトキーボード「Barocco」で鮮烈なデビューを飾ったMISTEL co,.Ltd(本社:台湾)は、今年も分離型キーボードを追求している。Cherry MLスイッチを搭載、大幅なスリム化を果たした「MD650L」をチェックしてみよう。
「Barocco」で一躍キーボード愛好家にとって無視できない存在になったMISTEL。ブースに並べられていたのは、代名詞でもある分離型のキーボードだ |
Vortexgearの姉妹ブランドとしてスタートしたMISTELが、初のプロダクトとして市場に投入したのが「Barocco」だった。分離型のコンパクトキーボードという尖ったデバイスは、日本国内でも愛好家に大好評。発売に先立ってお届けした詳細レビューにも大きな反響があった。
そして「COMPUTEX TAIPEI 2018」には、その「Barocco」(MD600)シリーズの第2弾モデルにあたる「MD650L」を出展。ロープロファイル仕様のCherry MLスイッチを搭載したキーボードで、先代モデルから大幅な薄型化を実現している。
今年の3月に開発中のイメージが公開されていた、「Barocco」シリーズの薄型モデル。キースイッチには、CherryのロープロメカニカルスイッチであるCherry MLスイッチが採用されている |
肩幅をくつろげてフリースタイルで入力できる分離型は、自然な姿勢により身体への負担が少ない。ただし「Barocco」シリーズは、合体させれば通常スタイルでも違和感なく使用できる |
もっとも「MD650L」は単に薄型化しただけのモデルではなく、随所に「Barocco」との違いがある。まず配列が一部見直され、要望が多かったという矢印キーを追加。「Barocco」が一般的なキーボードとの比較で60%サイズだったのに対し、やや大型化して65%級のサイズになっている。
また、フレームにはCNC加工のアルミニウムを採用。非常に重量感のある筐体のため、コンパクトな分離型かつスリム形状ながら、かなりの安定感を生み出している。その影響かスタンドにも変更が加えられているが、この点は評価が分かれるところかもしれない。
フレームはアルミ製の頑丈な筐体に変更された。そのためか、スタンドは連結用含めネジ止めタイプに。「Barocco」の豪華な2段階チルトに比べると、やや簡素に感じてしまう |
側面のインターフェイス。左右ユニット連結用のmicroUSBに加え、個別接続用のminiUSBを備えている |
ちなみに機能は先代の「Barocco」同等で、左右ユニットそれぞれの単体動作や全キーを対象としたマクロ登録、配列切り替えなどに対応。DirectorのJames Chang氏によれば、順調なら7月末~8月上旬にもグローバル市場に投入される予定という。こちらも国内向け展開に期待したいところだ。
カラーはブラックとグレーに加え、華やかなレッドも用意。なおブースには、現在開発中という自作キーボード用フレームも展示されていた。「MD650L」同様のアルミフレームが使われている |
「Barocco」をワイヤレス化したような、Bluetoothモデルの「MD650BL」も出展されていた。Bluetoothユニットを内蔵するためか、やや背が高くなったように感じる |
もう一つMISTELブースにおいて展示されていた注目モデルが、Bluetooth対応の分離型キーボード「MD650BL」だ。こちらは先代の「Barocco」がベースになっており、キースイッチにはCherry MXを搭載。ただし配列は、「MD650L」同様に矢印キーを追加したレイアウトに変更されている。
なお、インターフェイスはUSB Type-Cを備え、Bluetoothだけでなく有線接続にも対応するハイブリッド仕様。現在順調に開発が進んでいるということだが、まだ発売時期は決まっていないようだ。
底面と背面をチェック、インターフェイスはType-Cになっている。なお、Bluetooth接続時にも左右ユニット間はケーブルで連結する必要があるため、完全ワイヤレスにはならない |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
MISTEL: http://www.mistelkeyboard.com/
COMPUTEX TAIPEI 2018 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2018/