2019.03.13 22:22 更新
2019.03.13 取材
CORSAIR(本社:アメリカ カリフォルニア州)は2019年3月13日、都内にてPCケースやゲーミングデバイスの新製品発表会を開催した。いずれも近日中に発売が開始される期待作揃い、会場に集まったニューカマーたちを一足先にチェックしておこう。
メーカーや代理店関係者も完成度に太鼓判を押していた、静音ケースの「Carbide 678C Tempered Glass」 |
発表会の冒頭で登壇した、CORSAIR日本および台湾のリージョナルマネージャーJevon Yeh氏 | PCケース製品の解説は、ケース開発を担当するCORSAIR本社のProduct manager CoolingであるAnnie Jankowski氏が行った |
まず新作ケースのトップバッターとして登場したのは、昨日に国内向けリリースが打たれたばかりの「Carbide 678C Tempered Glass」だ。強化ガラスのスイングドアを採用して魅せ要素をカバーしつつ、徹底した静音性と冷却性への追求がなされている。
ケース内部からの音漏れを防ぐフロントドアを備えるほか、ドアと右サイドパネル、トップのサイレントカバー裏には2層構造のEVAフォーム(吸音材)を張り合わせた遮音パネルを搭載。内部の音を吸収することで、抜群の静音性を獲得している。
さらにトップのサイレントカバーをダストフィルターに換装すれば、たちまち高冷却仕様に早変わり。水冷ラジエターをトップマウントする際など、冷却性能を重視するゲーミングマシン構築などに向いたアプローチだ。
フロントドアの裏には、2層構造の吸音材で構成された遮音パネルを装備。トップパネルは、遮音パネル付きカバーか高冷却仕様のダストフィルターを選択できる仕様だ |
フロントドアとトップカバー同様に、サイドパネルにも遮音パネルを装備。厚みのあるしっかりした素材で、内部の音を効果的に吸収する |
また、ケース内レイアウトの高い自由度も特徴。最近では珍しくなった5.25インチベイは、3.5インチベイと合わせてモジュラー仕様になっており、必要に応じて脱着可能になっている。これにより拡張カードは最長370mmに対応、さらにグラフィックスカードは垂直マウントもサポートしている。
そのほか、合計で最大9基のファン、フロント・トップには最長420mmラジエター(トップ側)をマウントできるなど、多彩な冷却オプションも魅力。マザーボードは、ミドルタワーながらE-ATXモデルを搭載可能だ。
強化ガラスのサイドパネルは、ヒンジを設けたスイングドア仕様。内部にはモジュラー式のベイを多く備え、ユーザーのニーズに合わせて自由にカスタマイズできる |
3月16日に発売の予定で、市場想定価格は税抜27,000円前後。詳細な仕様については、こちらのプレスリリースで予習しておこう。
キューブ型のE-ATX対応ケース「680X RGB」。合理的な冷却コンセプトと魅せる要素を両立させたモデルだ |
続いて登場したのは、同じくE-ATXフォームファクタに対応した大型のキューブケース「680X RGB」だ。去る2013年に詳細レビューをお届けした「Carbide Air 540」の新世代バージョンにあたる。
ケースを真っ二つに分割し、熱源を分離させるデュアルチャンバー設計は健在。フロントからトップ・リアに至るエアフローの障害を排除した「Direct Airflow Path」を実現し、奇抜な見た目とは裏腹に、合理的な冷却の哲学を特徴とする。なおサイドパネルは、上記同様のスイングドア仕様だ。
ケース内部をセパレートしたデュアルチャンバー設計が特徴。3面が強化ガラス仕様になり、RGBファンも合計で4基が標準で搭載されている |
そして新モデルでは、従来以上に魅せる要素を追求した。フロント・トップ・サイドの3面を強化ガラス仕様としたほか、合計4基のRGBファンを標準装備。RGBデバイスを統合管理できるコントローラ「Lighting Node PRO」も標準で同梱される。
冷却ファンは最大8基を搭載可能で、水冷ラジエターはフロント・トップ・ボトムに最長360mm(フロント側)をマウントできる。拡張カードは最長330mmに対応、トレンドのグラフィックス垂直マウントも可能だ。
マザーボード側と、ストレージ・電源ユニット側に分かれた内部構造。搭載能力にもかなり余裕があり、マザーボードトレイ裏には「Lighting Node PRO」が備え付けられている |
「Carbide 678C」と同じく、発売日は3月16日を予定。市場想定価格は税抜37,500円前後となっている。なお詳細な仕様については、こちらのプレスリリースを参照のこと。
リビングで膝に乗せて使うことを想定した、ワイヤレスキーボード「K83 Wireless」。接続は2.4GHzとBluetoothの2-Wayに対応している |
ゲーミングデバイス開発を手がける、CORSAIR本社のSenier Product Line Manager Michael Grey氏 |
入力デバイスの新製品にも注目モデルがあった。先週末にグローバルリリースが打たれた、リビング向けキーボードの「K83 Wireless Entertainment Keyboard」だ。
リビングのソファにもたれかかり、膝に乗せてゆったり使うことを想定したモデル。CORSAIRは以前にも「K63 Wireless」をベースにしたリビング向けの一体型フレーム(「K63 Wireless Gaming Lapboard」)をリリースしているが、「K83 Wireless」はそのコンセプトをスタンドアロンで実現するデバイスだ。
最大の特徴は、本体右側に搭載したアナログジョイスティックと4点マルチタッチ対応の円形タッチパッド。マウスクリックボタンは、タッチパッド直下に加えて、スティック操作用に背面と底面にも実装されている。担当者が「開発に3年をかけ、完成度には自信をもっている」と胸を張る意欲作だ。
通常のマウス操作に使う円形タッチパッドと、特にゲームプレイで活躍するジョイスティックを搭載。スティックを使いながらクリックできるように、背面と底面にも左右クリックボタンを備えている |
キースイッチは、薄型シザータイプのパンタグラフ式機構を採用。20キーロールオーバーの同時押しに対応するなど、ゲーミング向けの機能も備えている。なお、レイアウトはテンキーレスの英語配列だが、日本語配列モデルの投入も現在前向きに検討中という。
発売は4月後半の予定で、市場想定価格は税抜15,000円前後。現状ではやや販路が限定されるかもしれないとのことで、ひょっとすると店頭販売が見送られる可能性もある。
先月より販売が始まっている「HARPOON RGB WIRELESS」も展示されていた。従来の2倍のパケット伝送と、空いている周波数に動的に切り替える高速ワイヤレス「SLIPSTREAM」に対応している |
CORSAIRが傘下に収めている、Elgatoの配信向けデバイスも並んでいた。配信向けのプログラマブルキーボード「Streaming Deck」で知られたブランドだ |
製品と業界動向の解説を行ったのは、ElgatoのPertonership managerを務めるTom Hildreth氏 |
新製品の「Cam Link 4K」。一眼レフやアクションカメラなどをWebカメラ化、高品質なストリーミングを可能にするアダプタだ | 1月に「CES 2019」で発表された、クランプ式で手軽に固定できる「KEY LIGHT」。Elgatoは配信用の周辺機材にも力を入れており、スマホを使った調光も可能という |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
CORSAIR: http://www.corsair.com/