2019.05.30 11:33 更新
2019.05.30 取材
Cooler Master Technology(本社:台湾)の本領発揮。冷却機器メーカーとして設立したからには、CPUクーラーにも力を入れなければならない。「Maker 3DVVC」は全社総力を挙げての力作なのだ。
おさらいしておくと、そもそもベイパーチャンバーとは、Vapor( 蒸気)とChamber(空間)からなる熱を移動させる装置。2016年には「3Dベイパーチャンバー」を採用した「MasterAir Maker 8」を検証。2017年のCOMPUTEXでは「3D Loop Vapor chamber」(3DLV)を搭載させたコンセプトモデルを紹介している。
そして更なる進化を遂げた「3D Vertical Vapor Chamber」採用の「Maker 3DVVC」をCOMPUTEX TAIPEI 2019に向けて用意。じっくりと観察しておこう。
音叉でも磁石でもない、U字型の3D Vertical Vapor Chamber |
これを内部に組み込んだ「Maker 3DVVC」は、ラウンドファンを内蔵するサイドフロースタイルのCPUクーラー |
受熱ベース部に「3D Vertical Vapor Chamber」を内蔵させた「Maker 3DVVC」は、Cooler Masterのインダストリアル部門と、コンシューマ部門の言わば合作。産業用としては比較的用いられるベイパーチャンバーの技術を応用し、自作PCパーツにも積極的に採用しようという試みだ。
これまで両部門は意外にも接点があまり無かったらしく、互いのノウハウを詰め込んだ製品の開発を進める事で、今後活性化を狙うとしている。
CPUに直接接触させる事で、ヒートパイプとは違う高い熱移動性能を発揮。放熱フィンへ素早く拡散する事ができる |
搭載ファンは140mmラウンドタイプで、これを前後にデュアルマウント。コンシューマ向け製品とあって、プラスチックカバー部にはRGB LEDイルミネーションを内蔵させた。気になる性能については、メーカー公称TDP250W。ハイエンドクラスの空冷システムに向けた、ちょっと期待のCPUクーラーだ。
カバー下部にはコネクタを装備。独自ソフトウェアによる発光制御ができるようになっていた |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
Cooler Master Technology: https://apac.coolermaster.com/jp/
COMPUTEX TAIPEI 2019 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2019/