2019.06.06 08:00 更新
2019.06.05 取材
アルミニウム素材の質感を上手に生かすIn Win Development(本社:台湾)。紹介済み「905」と共に編集部が注目したいのがフルタワーPCケース「925」だ。
いつからだろう。特にここ最近、PCケースの外装にアルミニウム素材を積極的に採り入れるIn Win。質感の良さと見た目、そして冷たい手触りは、以前から高級PCケースのみに用いられる、ちょっと贅沢な素材だった。しかしIn Winは普及価格帯ミドルタワーPCケースでさえ、惜しげもなくアルミ素材をチョイスする。
思えば強化ガラス素材を量産PCケースに採り入れたのはIn Winが始まりだった。今年もCOMPUTEXの会場を歩くと、至る所でガラス張りのPCケースが目に付く。今やIn Winは業界を牽引するパイオニア的存在なのだ。
恐らく最後になるであろう、In Winブースレポート。掉尾を飾るのはフルタワーPCケース「925」だ。
このスタイルを見てピンときた人がいるかもしれない。国内市場では6月1日から販売が開始された「928」の兄弟モデル、言わば弟分に該当する。兄貴分は税抜約13万円のスーパータワーだが、さすがに手が出なかったという人には待望の1台になるだろう。
「925」最大の特徴はやはり外観だ。シャーシ自体はスチールだが、外装に使われているアルミニウムは、フロントからボトムまで、シャーシ全体を帯のように巻き込んでいる。そしてサイドパネルには得意の強化ガラスを採用。大いにドレスアップを楽しんで欲しいと言わんばかりだ。
In Winのスタッフに詳細を聞くと、どうやら「925」は左サイドパネル側を正面と見据えるらしい。つまりPCケース内部が丸見えの状態で設置し、PCをディスプレイして楽しもうというアプローチだ。
通常ならリアパネルと呼ぶ左側面には、3基の120mmファンが増設可能。聞くところによると、冷却能力うんぬんではなく、RGB LEDファンを増設し左右からイルミネーションを楽しもうという事らしい |
以前EVGA「DG-87」を検証しているが、コンセプトはこれとほぼ同じ。ただしDIY水冷は段違いに普及し、RGB LEDイルミネーションを用いた自作PCの世界は、その当時とは比べものにならないほど多様化している。「925」は現代の自作PCのトレンドに見合った設計とコンセプトを採り入れた、”最先端の魅せるPCケース”と言うワケだ。
簡単にスペックを確認しておくと、対応フォームファクタはE-ATX(12″x13″)、ATX、MicroATX、Mini-ITXで、各有効スペースはグラフィックスカードが長さ421mm、CPUクーラーが高さ160mm、電源ユニットが長さ200mmまで。ドライブベイは3.5インチx2、2.5インチx3、冷却ファンはリア120mmx3、フロントサイド120mmx3(240mmサイズラジエター)、トップ120mmx3(360mmサイズラジエター)。
なお冷却ファンはデイジーチェーン対応のモジュール式コネクタを採用する「POLARIS」が推奨されている。
フルタワーPCケースの注目作「925」。ブースにはブラックとシルバーの2色が展示されていたが、実際にはブラックモデルのみの展開を想定。発売は8月が目標で、価格は425ドル程度と言われている。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
In Win Development: https://www.in-win.com/
COMPUTEX TAIPEI 2019 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2019/