2023.02.15 00:00 更新
2023.02.15 取材
Raspberry Piをたくさん集めてスパコンとして使おうという試みは以前からあったわけですが、その最新版にあたるプロジェクトの「Compute Blade」が先週からKickstarterで始まっています。
Raspberry Piで低消費電力な高密度ブレードサーバーを作ろうというもので、まずは見た目のスマートさに惹かれたというのが正直なところ。Raspberry Piをそのまま使ったサーバーはサイズも大きくなりがちだったので、ここまでコンパクトに収まっているのはお見事。すでに数日で目標額の130%以上を調達、約2ヶ月の期間を残して製品化が決まっています。
使われているのは「Raspberry Pi 4」と同じクアッドコアSoCのBroadcom「BCM2711」を採用する、モジュール型SBCの「Raspberry Pi Compute Module 4」。ボード下部の高密度コネクタで接続可能なフォームファクタにより、モジュール全体のフットプリント大幅に削減したSBCです。
それを搭載するブレードを組み込んだサーバーは、19インチの2Uラックマウントに160のARMコア、320GBのRAM、20TBのNVMeストレージを集約。オーバークロック状態で24時間365日稼働し、エンタープライズレベルのホームラボ環境やエッジサーバー、ホスティングプロバイダなどへの活用が想定されているそうです。
ブレード基板の構成を見ていくと、「Raspberry Pi Compute Module 4」には大型のカスタムヒートシンクを装着し、最大でM.2 22110フォームファクタをサポートするPCI Express対応のM.2スロット、microSDスロット、データコピー用USBメモリを接続するUSB Type-A、ディスプレイ接続用のHDMIポート(4K/60Hz対応)など各種インターフェイスを搭載。PoE対応のギガビットイーサーネットポートにより、最大30W(通常時2~8W)のPoE給電で動作しています。
なおオプションとしては、リアルタイムクロックモジュールやZYMKEY4などセキュリティモジュール(標準はTPM 2.0オンボード)、ファンユニット、最大でデータセンター向けのHPCクラスタを構築できるエンクロージャなどが用意されているようです。
さてそんな「Compute Blade」のキャンペーンは、2023年4月11日3:00(日本時間/UTC+09:00)まで。ブレードとラッチのみで60ユーロから、Raspberry Pi CM4を含むパッケージが82ユーロから選択できます。ホームラボ向けを想定した4ノードのクラスタは760ユーロ、19インチラックのクラスタは3,820ユーロなど、規模の大きな構成も用意されているようですね。
文: 編集部 絵踏 一
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/