エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.174
2012.09.15 更新
文:GDM編集部 池西 樹
実際の検証に入る前に、GIGABYTEの品質基準「Ultra Durable」について簡単におさらいしておこう。
初代「Ultra Durable」は、液漏れの心配のある「アルミ電解コンデンサ」の代わりに耐久性に優れ、液漏れの心配がない「固体コンデンサ」を使用し、品質や耐久性の高さを謳う基準としてスタートした。その後、電流ロスが少なく従来のチョークより耐久性が高い「フェライトコアチョーク」、電源層とグラウンド層の銅箔を従来の2倍の厚さにして電気抵抗の低減させた「2オンス銅箔層」といった高品質コンポーネントを続々採用。先代「Ultra Durable 4」では、さらにCPU周りのMOSFETを従来のD-Pakタイプから、WPAKやPowerPakといったより高効率な製品に変更することで、定格運用だけでなく、オーバークロック耐性にも優れる規格へと進化を遂げた。
さらに「Ultra Durable 5」では、電源周りのMOSFETをInternational Reactifier(以下IR)製ICチップ「IR3550 PowIRstage」に変更。さらに60Aの大容量フェライトコアチョークを採用することで、GIGABYTE史上“最強のオーバークロック耐性”を実現している。
前述通り「Ultra Durable 5」で最も中心的な役割を果たすのが、今回の主役でもある「IR3550 PowIRstage」。一般的な電源回路で必要になる、「Driver IC」「High side MOSFET」「Low side MOSFET」の機能を1パッケージ化したICチップで、ボード上の専有面積を減らし漏電を抑えることができる。
また「IR3550 PowIRstage」ではパッケージ化にも工夫を凝らし、各MOSFETの接続やリードフレームには損失の低い銅を採用。さらに内部抵抗の小さい最新MOSFETや効率を最大限まで高めた専用ドライバICを搭載することで、最大95%の高効率を達成した。これにより、従来のMOSFETより高電圧、低温動作が可能となり高いオーバークロック耐性を実現している。