エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.617
2017.12.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
MSI「Z370 GODLIKE GAMING」 実勢売価税込74,000円前後 製品情報(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社) |
ゲーム用語で最上級の存在に捧げられる“GODLIKE”の名を冠した、MSIが誇るウルトラハイエンドマザーボードの最新作が「Z370 GODLIKE GAMING」だ。最高品質の部材を贅沢に使い、現状考え得るトップクラスのスペック・機能を惜しげもなく投入。そのおかげで、販売価格は7万円オーバーと、通常のハイエンドモデルの2倍以上まで跳ね上がった。
もっとも、強気すぎる価格設定にも関わらず、その突き抜けたコンセプトに対するエンスーたちの支持は厚い。Coffee Lake解禁前にマザーボードの予約が始まった際は、すでに購入を決めていたパワーユーザーから想定以上のオーダーが舞い込み、店頭でも驚きの声が聞かれた。とことん性能を重視するユーザーにとっては、価格を度外視しても手に入れたいマザーボードというワケだ。
通常のハイエンドマザーボードと比較しても2倍以上という、恐るべき高価格モデル。ただし搭載機能はそれ以上に圧倒的で、Coffee Lake解禁前から注目度は高かった |
Coffee Lakeのために用意されたIntel Z370チップセット搭載マザーボードのフラッグシップモデル、フォームファクタは大型のE-ATXだ。とにかく機能満載のマザーボードで、ゲーミング向け必須の装備であるネットワークとオーディオ機能は、特に強力なものが搭載されている。
ネットワーク機能には、ゲーマー御用達の低遅延チップ「Killer E2500」によるトリプルギガビットLAN、IEEE 802.11ac+Bluetooth対応の「Killer 1535」Wi-Fiアダプタを搭載。さらに有線・無線LAN中継器として機能する「Killer xTend」を備え、“世界初のワイヤレス拡張マザーボード”を謳う。
オーディオは、フロントとリア両方に内蔵アンプ付きのハイレゾ対応プロセッサを配置した「XTREME AUDIO DAC」を実装。もちろん回路はノイズ対策のための分離設計で、Hi-Fiグレードのオーディオ専用コンデンサを採用するなど、最高級のコンポーネントで構成されている。
多数の機能を盛り込むため、フォームファクタは大型のE-ATXサイズを採用。ネットワークやオーディオ、オーバークロック、ストレージ、ライティングと、いずれも最高峰の機能で構成されている |
そしてオーバークロック(OC)性能も強力無比。安定動作を支える電源回路はなんと18フェーズを搭載し、精密なBCLK調整を可能にする外部クロックジェネレータ「OC ENGINE 2」、OC向けにカスタマイズされた「OC PCB」といった優れた機能が揃っている。さらにグラフィックス機能をオミットすることで、よりOCに適した環境が整った。OCが苦手なユーザー向けには、簡易OC機能の「Game Boost」が用意され、基板上のノブやソフトウェアを使った、お手軽かつ直感的なOCが可能になっている。
また、ストレージの充実ぶりも見逃せない要素だ。独自ヒートシンク「M.2 Shield」を装備した「Turbo M.2」スロットをトリプル搭載。さらに2基のM.2スロットを備えた専用拡張カード「M.2 XPENDER-Z」を使用すれば、合計で5基ものPCI-Express3.0(x4)接続のM.2 SSDが運用できてしまう。加えてU.2ポートも標準装備、まさに全部入りだ。
そのほか、「X99A GODLIKE GAMING」で先鞭をつけた、マザーボード全体に配置されたイルミネーション機能も大きな魅力。1,680万色でカスタマイズできる「Mystic Light Sync」に対応、17パターンのエフェクトをエリア別に設定できる。なんとも豪華な搭載機能の数々だ。
E-ATXモデルということもあり、大型のパッケージに封入された「Z370 GODLIKE GAMING」。裏面では、搭載機能やインターフェイスが分かりやすく網羅されている |