エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.623
2017.12.21 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
組み込みセッション最後は、水冷ラジエターの搭載を試みる。まずはフロントパネル裏手にある搭載スペースに、120mm口径ファン3基が搭載できる360mmサイズラジエターを固定してみよう。理論的に容量の大きなラジエターは、冷却性能が高く、ハイエンド構成のPC構築には有利。魅せるPCを楽しむ自作派にとっても、大いに活用したいスペースになるはずだ。
フロントパネルと標準装備の120mm口径ファンを取り外し、360mmサイズラジエターを増設。見た目にも綺麗に収まっている |
ラジエターはシャーシ側フロントパネルにネジ留め。このスタイルなら標準装備のマグネット固定式防塵フィルタはそのまま活用できる | 360mmサイズラジエターはボトムカバーを突き抜けるため、予めカット。厚さ35mmのラジエター+厚さ25mmの冷却ファン構成の場合、実測で約37mmの空きスペースが確保できている |
NZXTブランドのオールインワン型水冷ユニットを搭載してみよう。以前詳細検証をお届けした「Kraken X62」(型番:RL-KRX62-01)は、140mm口径ファン2基搭載できる280mmサイズラジエターを標準装備。冷却性能もさることながら、ポンプ一体型ウォーターブロックのカバー上面には「インフィニティミラーLED機能」を備え、LEDの発光アクションにより奥行きのあるライティング効果が楽しめる。興味のある読者は是非レビューを参照いただきたい。
トップパネルを外し、シャーシ側に4本のハンドスクリューで固定されたブラケットを「ファンモード」から「ラジエターモード」に上下付け替える |
280mmサイズラジエターを140mm口径ファン固定用スリットにネジ留め。搭載ポジションの調節ができるスリットタイプはとても便利 |
ポンプ一体型ウォーターブロックを固定し、動作検証を行う。左サイドの強化ガラス越しにLEDの発光アクションを楽しむ事ができる。こうなると「HUE+」と8個のLEDを内蔵する冷却ファン「AER RGB」を組み合わせ、フル装備でライティングが楽しみたくなる |
実は、ここ最近のNZXTを密かに注目している。今年も同ブランドのPCケースや簡易水冷の検証を行ったが、どれも力作ばかり。実勢価格は決して安くはないが、それを納得させるものがある。
「H700i」は、洗練された外装デザインはもとより、イマドキな内部設計にこれといって欠点は見当たらない。筐体としての剛性も高く、工作精度も安定しており、品質について、NZXTは一定以上の水準が維持できている。
さらに製品を魅力的にしているのが、「スマートデバイス」の存在だろう。”機械学習”という自作PCの世界では新鮮な試みと、進化し続ける定評の「CAM」とあいまって、NZXTが目指すコンセプトを明確なものにしている。「H700i」を選択する理由の筆頭になり得る制御システムは、今後もNZXTを牽引し続けるだろう。
協力:NZXT